さて、メーカー編第7回目は、富士フイルムの低価格デジカメブランド、AXIA(アクシア)。
アクシアが出したおもちゃデジカメ
2001年 4月 iX-1 30万画素、形状がユニーク。
2001年 7月 iX-20 35万画素、スマートメディア対応。
2001年 12月 iX-130 130万画素、スマートメディア対応。
2002年 4月 eyeplate 30万画素、厚さ6mm。
2003年 7月 eyeplate mega 130万画素、厚さ8mm、SDカード対応。
iX-1
アクシアと聞いて思い出すのは、やはり斉藤由貴のカセットテープのCMです。50歳前後の方には、同じように感じる方も多いと思います。そもそもアクシアというブランドは、若者向けカセットテープのブランドとして、始まっているのです。それがなぜか、デジカメを出したのでした。
当時は高級機のイメージがあったFinepixブランドで、低価格デジカメを出すのはブランドイメージ的に難しかったのでしょうか。
2001年4月、iX-1発売。低価格デジカメを複数発売したメーカーでは、最後発ではないかと思われます。
富士フイルム アクシアが、30万画素デジタルカメラを発売 iX-1(Ascii.jp 2001.3.16)
このデジカメはユニークな形状をしていて、はっきり言ってカメラっぽくなく、おもちゃっぽい。マクセルWS30やカシオLV-10が人気を得ている中で、なぜこの形なのか疑問ですが、個人的には好きな形です。
どれくらい売れたのかは、データは見つけられないのですが、この頃はおもちゃデジカメも飽和状態でしたから、それほど売れなかったのではと推測されます。
iX-20
2001年7月、iX-20発売。
富士フイルムアクシアが、エントリークラスのコンパクトデジタルカメラを発売 @xia iX-20(Ascii.jp 2001.6.21)
iX-1とは打って変って、普通のデザインです。画素数はそれほど変わりませんが、フラッシュが付き、スマートメディアにも対応しています。こちらがマクセルWS30やカシオLV-10の対抗機種でしょう。しかし、こちらもヒットしたという記述は見当りません。
iX-130
2001年12月、iX-130発売。なんと1年間で3機種も発売です。
富士フイルムアクシア、131万画素CMOSセンサー搭載のデジタルカメラ『iX-130』を発売(Ascii.jp 2001.10.18)
おもちゃデジカメにもメガピクセルの波がやってきました。きっかけはChe-ez!シリーズでもおなじみのニチメン(NHJ)が出した「mach power MPX」(2001年8月末発売)。
それに対抗したのが、こちらのiX-130。iX-130はオープンプライスですが、発売時の実売価格は14800円くらいだったようです。ちなみにMPXは12800円。
ただ、この頃にはfinepixの型落ち機も安くなってきていたので、どちらを買おうか迷っている人もたくさんいたようです。
131万画素CMOSデジカメ「@xia iX-130」発表。(2ちゃんねる)
ここまで見るかぎり、アクシアブランドのおもちゃデジカメは売り上げ的には苦戦したように思われます。
eyeplate
そんな中2002年4月、eyeplate発売。
アクシア、厚さ6mmの世界最薄デジカメ「eyeplate」(PC Watch 2002.3.14)
厚さ6mmの世界最薄デジカメ「eyeplate」を買ってみました(PC Watch 2002.3.29)
世界最薄の名刺サイズデジカメ「eyeplate」の実力は?(IT media News 2002.4.4)
30万画素ながら、厚さ6mm名刺サイズで実売価格1万円弱。これは、かなりのインパクトがあったようです。同時期に80万画素・厚さ14.7mm、マクセルWS80が発売されていますが、こちらはほとんど話題にならずに、eyeplateばかりが取り上げられています。
今現在でもGoogle検索で、eyeplateを扱った個人HPが結構ヒットします。それだけ、受けいられたということでしょう。
eyeplate mega
そして、2003年7月、後継機であるeyeplate mega発売。
アクシア、厚さ8mmの131万画素名刺サイズデジカメ「eyeplate mega」(PC Watch 2003.7.7)
8mm厚130万画素カードカメラ「eyeplate mega」レポート(PC Watch 2003.7.25)
本日の一品 薄さは力だ アクシアの「eyeplate mega」(ケータイ WATCH 2004.3.15)
厚さは8mmと少し厚くなったものの、131万画素になりSDカードにも対応。着脱式フラッシュユニットなど、かなりパワーアップしました。それでいて実売価格11800円とかなりお得感があります。
しかし、『8mm厚130万画素カードカメラ「eyeplate mega」レポート』のなかで、”eyeplate megaを編集部内で見せていると、メガピクセル携帯電話があるのに必要なのか、という声もあった。”とあります。これがこの時期の一般的なおもちゃデジカメに対する感想ではないかと思います。
「本日の一品」記事中には携帯電話のカメラ機能に対する優位性が少し語られていますが、おもちゃデジカメのニーズは2004年にはもうなくなりつつあったのです。
これ以降、アクシアはデジカメを発売することはありませんでした。そして、2004年10月に富士フイルムイメージングに吸収、2006年12月に全製品生産完了。2008年7月末日修理対応およびサポート業務の受付を終了しています。