メーカー編第5回目は、おもちゃデジカメじゃない!? マクセルのデジカメです。
マクセルが出したおもちゃデジカメ
2000年 9月 WS30 35万画素、コンパクト。
2001年 5月 WS30 SLIM 35万画素、よりスリムに。
2002年 3月 WS80 80万画素CCD。
エポックメイキングなおもちゃデジカメ WS30
カシオのLVシリーズもそうですが、マクセルの出したWSシリーズも、おもちゃデジカメと呼ぶのは失礼かもしれません。
WS30以前の機種を見てみると、トミー・ミーシャ、高木産業・PDC-35/10、タカラ・スリムショット/Ⅱ/スティックショット、バンダイ・C@mailニチメン・Che-ez!
高木産業・PDC-35以外は、見た目にもおもちゃっぽいし、そしてそれ以上に、電池がきれる(電池を抜く)と撮影した画像がなくなるという、デジカメとしては致命的な弱点を持っていました。
そのような中、2000年9月、WS30は発売。
マクセル、USB接続の軽量デジタルカメラ発表(Ascii.jp 2000.9.6)
マクセル、小型・軽量の35万画素デジタルカメラ(ケータイ WATCH 2000.9.6)
35万画素でコンパクト。デザインもおもちゃっぽくない。電源を切っても(電池を抜いても)、撮影した画像が消えないフラッシュメモリーを採用し、フラッシュ(ストロボ)も内蔵。それに、マクロ機能もある。画質もそれまでのものより、優れていました。実売価格14800円と少し高いのですが、ヒットしたようです。
当時のネット情報によると、ソフマップの売れ筋ランキングでは発売直後の2000年10月が2位、11月1位、12月1位、2001年1月1位、2月5位と5ヶ月連続ランクイン、うち1位が3ヶ月。ソフマップなので、客層はマニアよりかもしれないですが、かなりのヒットを示しています。
なお、WS30はLARGAN社のCHAMELEONという機種のOEM。CHAMELEONの方も、秋葉原のツクモなどで販売されたようです。
より薄くなったWS30 SLIM
そして、2001年5月には早くも新型投入。
日立マクセル、ガラスレンズ採用の小型デジカメ『WS30 SLIM』を発売(Ascii.jp 2001.4.24)
日立マクセル、スリムボディのコンパクトデジカメ「WS30 SLIM」(ケータイ WATCH 2001.4.24)
WS30 SLIM(Ascii.jp 2001.5.28)
WS30との違いは、本体が薄くなったこと、ガラスレンズの採用、単3電池から単4電池に変更になったこと等です。個人的には、焦点距離が35㎜判換算35㎜から42㎜になったのが、残念。値段は若干安くなって、実売価格12800円ほど。
こちらもWS30に引き続き、人気を博したようです。
ネット情報によると、ソフマップの売れ筋ランキングでは発売直後の2001年5月が3位、6月3位、7月3位、8月5位と4ヶ月連続ランクイン。WS30ほどの爆発力はなかったものの、こちらもよく売れたようです。
2001年8月には、130万画素で12800円と低価格のメガピクセル機、ニチメンのMach power MPXが発売。また、9月にはChe-ez!SPYZが発売。こちらは35万画素ながら、ライターサイズの超小型。
というように、この時期からおもちゃデジカメも、高画素・小型・薄型など、特徴を出さないとアピールできなくなってきています。
そしてこの時期、WS30EXの開発が発表されるも、発売されず。35万画素CCD機のようですが、詳細はわからず。2001年10月くらいの予定だったようです。
情報のないWS80
2002年3月、WS80発売。80万画素のCCD機で、WS30SLIMよりさらに薄く奥行き14.7mm。
ただ、こちらの機種の発売時の記事が、検索しても出てこないのです。2002年3月というのも、2ちゃんねるの書き込みにあったものなので、ちょっと信頼性には不安が。今現在は当時購入された方のHPが検索で出てくるくらいです。
この時期は型落ちの100万画素機が2万円弱くらいで売られていたよう。そんな中での80万画素CCD機が14800円、こちらはあまり売れなかったようです。
また2002年という年は、Jフォン(2000年10月から発売)に続き、au(2002年4月)、NTTドコモ(2002年6月)とカメラ付き携帯電話が出そろった時期です(Wikipediaより)。おもちゃデジカメを求めるような層は、カメラ付き携帯電話に流れていったのではと思われます。おもちゃデジカメの終焉です。
残念ながらメーカーのHPにも、情報は残っておりません。