メーカー編2回目は、デジカメを普及させるきっかけQV-10を作ったカシオです。
カシオが出したおもちゃデジカメ
2000年11月 LV-10 30万画素、4MBフラッシュメモリー、内蔵フラッシュ。
2001年10月 LV-20 30万画素、LV-10をよりコンパクト、スタイリッシュに。
LV-10 デジカメ メーカー参戦・カシオ
トミーのミーシャをきっかけとして、タカラ・バンダイといったおもちゃメーカー、ニチメン・高木産業・マクセル等、それまでデジタルカメラを販売していなかったメーカーも低価格デジカメ市場に参入してきました。
そして2000年11月、デジカメを普及させるきっかけを作ったカシオも、ついに低価格デジカメを発売。これは高機能(高価格)のデジカメを販売しているメーカーでは、初めてのことでした。
カシオ、重量120gで1万円前後のお気軽デジカメ「LV-10」(ケータイ WATCH 2000.10.31)
カシオ、31万画素のデジタルカメラ『カシオ LV-10』を発売(Ascii.jp 2000.10.31)
カシオ、手のひらサイズの35万画素デジカメ(PC Watch 2000.10.31)
発売された「LV-10」は、USB接続の電子文具「EZ-USB」シリーズ第2弾という位置づけ。
それまでのカシオのデジカメとは違い、気軽に手にできる、かつおもちゃではないという意味で、電子文具のシリーズとして、販売することになったのでしょうか。低価格でも、おもちゃではなく電子文具である、という所にメーカーのプライドが見えます。デザインもおもちゃぽくなく、シンプルなカメラらしいデザインです。
そして、さすがデジカメを積極的に作ってきたメーカー、おもちゃメーカーのものとは違い、作りはしっかりとしていました。電池を抜いても撮影した画像が消えないフラッシュメモリーを採用し、フラッシュ(ストロボ)も内蔵。
しかし、これらはおもちゃデジカメとしては、カシオが初めてではなく、2ヶ月先に発売されたマクセルのWS30が最初です。そして、画質的にはWS30のほうが評価を得ていました。ですが、WS30が1万5千円くらいであったのに対し、LV-10は1万円を少しきる値段。この5千円の差に悩んだ人も多いはずです。
そして、この5千円の差が大きかったのか、カシオというブランドが強かったのかLV-10はヒットします。
低価格デジカメ「LV-10」が3週連続トップシェアを獲得(BCNプレスリリース 2001年2月16日発表)
この記事の中で、『ソニー「Cyber-shot」、富士写真フイルム「FinePix4500」をおさえ、3週連続でトップシェアを獲得』とあります。また、「価格帯別販売構成比率(台数)をみても、1万円未満の価格帯は28.7%にまで上昇してきている」とのこと。おもちゃデジカメの売上が伸びたことを表しています。
ショップでは、「すでに高機能のデジタルカメラを持つユーザーが、気軽に使える2台目として購入していく傾向がある」、「子供へのプレゼントとして購入していく人が多い」といったコメントが多い。高機能を求める消費者だけでなく、リーズナブルな価格で購入でき、気軽に撮影できるデジタルカメラに対するニーズが確実に存在している。
出典:BCNプレスリリース 2001年2月16日
LV-20
その後2001年10月には、後継機となるLV-20が発売。
カシオ、手のひらサイズのデジタルカメラ『LV-20』を発売(Ascii.jp 2001.8.23)
カシオより、気軽に撮れるスリムボディのデジカメ新発売(ファイル・ウェブ 2001.8.23)
カシオ,スリムボディの30万画素デジカメ「LV-20」(ITmedia 2001.8.23)
LV-10との大きな違いは、本体の大きさ。よりコンパクトになり、重さも120gから83gになりました。それ以外では、レンズの焦点距離が6.2mmから6.0mmに、USB出力端子が専用端子からミニB端子になったことくらい。
この後、カシオはおもちゃデジカメを出していないのですが、カメラ付き携帯電話を積極的に出しています。おもちゃデジカメは、カメラ付き携帯電話の普及と高画素のデジカメが値下がりしてきたことで、廃れていったわけですが、カシオはそれらどのカテゴリーにも製品を出しています。(1眼レフは除く)デジカメの歴史(コンパクトデジカメの歴史といったほうがよいか)には、常にカシオの存在があるのです。
説明書とドライバー
カシオのHPではいまも説明書とドライバーの提供を行ってます。さすが。
LV-10 取扱説明書ダウンロード
Windows XP用 LV-10 Viewer ソフトウェア
LV-20 取扱説明書ダウンロード
LV-20 TWAIN ドライバー(LV-20 Viewer)ソフトウェア