さて、今回も自転車日本一周中に訪れた、オススメの灯台を紹介していきたいと思います。
前回は絶景灯台をおすすめしたのですが、今回は絶景ではないものの、灯台自体の形であったり、その場所であったりが特徴的なものをオススメします。海岸線沿い、自転車日本一周を考えている方に、参考にしていただければと思います。
なお、今回はランキング形式ではありません。
男木島灯台
香川県高松市の男木島に建つ総御影石造の灯台です。一般に灯台といえば、白亜の灯台が多いのですが、こちらは塗装されておりません。無塗装の灯台は日本で2基しかありません。ここと角島灯台のみです。
こじんまりとした灯台ですが、御影石で作られたその姿が美しいです。断崖絶壁に建っているものとは違い、砂浜に建つ姿はほのぼのとした感じがしました。
男木島はアートの島、そして猫の島でもあります。広さとしてはそれほど大きくないものの、見どころ満載の島なので、四国一周の際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
旧福浦灯台
石川県羽咋郡志賀町にある日本最古の西洋式の木造灯台です。歴史的価値のある灯台ということで、ちょっとオススメ。
能登半島には灯台50選に選ばれた、禄剛埼(ろっこうさき)灯台があり、そちらもオススメなのですが、こちらのほうがよりマイナーなので、こちらを推しておきます。マニア向けです。
入道埼灯台
秋田県男鹿市の男鹿半島入道崎に建つ大型灯台です。白と赤のツートンカラーの灯台は結構見たのですが、白と黒のものは珍しいかも。
この灯台の建つ入道崎は辺り一面草原になっていて、非常に気持ちのよい場所です。近くには食堂が立ち並び、その前には男鹿半島の代名詞、なまはげの像が立ち並びます。見た目にも楽しいですし、食堂では男鹿半島名物が色々と食べられます。
男鹿半島では、なまはげの資料を展示するなまはげ館と、併設する男鹿真山伝承館が、おすすめスポットです。そのついでに、合わせてこの入道崎も訪れてみてはいかがでしょうか。天気が良ければ、本当に気持ちのよい場所です。
また男鹿半島には、もう一つ五社堂というオススメ神社もありますので、時間がある方は、男鹿半島を一周するのをおすすめします。ただ、自転車で回るのは、アップダウンが多いのでちょっと大変ですが。
恵山岬灯台
北海道の亀田半島東端にある恵山岬の突端に立つ白亜の大型灯台です。こちらも入道埼灯台と同様、草原に立つ灯台です。入道崎ほど広くはないのですが、よく整備されていて気持ちのよい場所です。
近くには潮が引いたときにだけ現れる幻の温泉、水無海浜温泉もあるので合わせていくのをオススメします。なお、灯台近くにある函館市灯台資料館は、2016年4月より無期限の休館となっています。
安房埼灯台
神奈川県三浦半島の南端に位置する城ヶ島(じょうがしま)にある灯台です。城ヶ島には城ヶ島灯台という観光地化されている灯台もあるのですが、マイナーなこちらをオススメします。
灯台としては小さいのですが、形が独特で給水塔のようです。また、磯場に立つ灯台というのも珍しいかなと思うのです。城ヶ島に訪れた際は城ヶ島灯台だけでなく、こちらにも立ち寄って欲しいのです。
野間埼灯台
愛知県知多郡美浜町(旧・野間町)の野間崎に立つ中型灯台です。通称、野間灯台。愛知県最古の灯台です。
道路沿いの海岸にあり、親しみのある灯台と言いましょうか、地域の方に愛されているような灯台であります。夕日のきれいなところで、ご多分に漏れず恋人の聖地のようになっており、独身者の来るところではない感じもしますが。
ただ、小ぶりながらも灯台の形はきれいで、オススメの灯台です。
樫野埼灯台
和歌山県串本町の紀伊大島に建つ灯台です。「日本の灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンが設計した、日本最初の石造灯台です。
樫野崎灯台の周囲には、エルトゥールル号遭難慰霊碑やトルコ記念館があります。ただ、くしもと大橋から、ここに来るまでが結構な坂道なのです。たどり着くのに結構疲れました。
近くには本州最南端潮岬があり、潮岬灯台もあるのですが、合わせてこちらの灯台にも訪れてみてはいかがでしょうか。参観灯台ではないものの、横の階段から灯台に上がれますので、そこから見る景色はなかなかのものです。
角島灯台
山口県下関市角島に建つ総御影石造の灯台です。最初に紹介した男木島とおなじく無塗装の灯台で、リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による最後の灯台。日本海側では初めての洋式灯台でもあります。
こちらは中に入ることの出来る参観灯台ですが、併設されている灯台記念館が特にオススメです。手抜きな資料館が多い中、ここのはすごく勉強になります。
そして、角島といえば角島大橋です。この灯台に来るためには、角島大橋を渡るわけですが、この角島大橋がオススメです。今や有名スポットなので、説明する必要もないかもしれませんが、晴れた日の角島大橋と海の美しさは、超絶美しいです。
鶴御埼灯台
大分県佐伯市鶴御崎に建つ灯台です。旧軍施設である海軍望楼の上に建っているというちょっと変わった灯台です。灯台自体は比較的新しくて、1981年に建設されたものです。
廃墟の上に建てられた灯台で、なかなかのオススメです。ただ、こちらもたどり着くまでには、それなりの坂道を登らなければなりません。自転車で行かれる方は、覚悟して向かってください。
大バエ灯台
長崎県平戸市生月島にある灯台です。前回の絶景灯台に入れようかどうしようか迷ったくらいの、絶壁に建つ灯台です。灯台自体が展望台になっていて、そこから見る景色はなかなかのもの。私が行った時は風が強くて、ゆっくり見ていられなかったのですが…
生月島も自転車日本一周で行く人は少ないのですが、この島もオススメです。オートバイの方がたくさん来られていて、島の西側の道は夕日がキレイと評判のようです。
以上、オススメの灯台・絶景じゃない方10選でした。
灯台と一言に行ってしまいますが、こんなにバリエーションがあったりするのです。自転車で日本一周する方に、ちょっとは興味を持っていただければと思うのです。
崎と埼
もうひとつ最後に、崎と埼という字の説明です。
一般に岬に建つ灯台には岬の名前として埼を使用する。崎が山の様子が険しいことを表す字であり、平野に突出した山地の鼻を意味するのに対して、埼には陸地が水部へ突出したところを意味する。このため、明治時代の海軍水路部以来、海図では埼の字が用いられている。なお、国土地理院では前身の陸軍陸地測量部が使用していた崎の字を引き続き用いており、地図では崎の字が用いられる。
ということで、旧陸軍が使っていた”崎”と旧海軍が使っていた”埼”があるということです。で、町名であったり、場所を示すときは”崎”になっているけど、灯台の名前は”埼”が使われていたりします。
例えば「入道崎にある入道埼灯台」となり、非常にややこしいことになっているのです。