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【旅日記】日本最長路線バス(大和八木ー新宮)往復の旅【2020/09/30~10/01】

さて、久しぶりの旅日記です。6月中旬に腰の手術をしてから、イマイチパッとしない状態が続いていたのですが、術後3ヶ月経ち、それなりに動けるようになってきたので、ここいらでちょっと出かけてみることにしました。

ただ自転車もオートバイもまだちょっと怖い、そこで以前から興味のあった路線バスの旅をすることにしました。実は奈良-和歌山間には日本最長路線バスが走っているのです。

八木新宮線、最長路線バス

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日本一距離の長い路線バス?

奈良交通株式会社HPによると、「全長166.8㎞、停留所の数は167、高速道路を使わない路線では、日本一の走行距離を誇る路線バス、それが八木新宮特急バスです」とのこと。途中3度の休憩を挟み、片道約6時間30分の道のりです。

北海道にこれより長い路線(幌延地層研究センター~旭川駅の224.1㎞、沿岸バスの快速幌延旭川線)があるようですが、途中で系統が分かれるようで。北海道はすべてにおいてスケールが大きいので、ちょっと横に置いておき、奈良の近鉄大和八木駅と和歌山のJR新宮駅をつなぐ八木新宮特急バスが、メディアでは日本一長い路線バスとよく紹介されています。

別にどこが1番とかはそれほど重要では無くて、6時間半バスにゆられっぱなしというのが楽しそう。いや、楽しいのか? 苦しいのか? 乗ってみることに。

このバスに乗ったというブログやyoutubeはたくさんあるのですが、みんな片道ばかりなので今回は往復でこのバスを利用することにしました。

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168バスハイク乗車券

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今回の旅で使うのが、168バスハイク乗車券。五條バスセンター・五条駅から速玉大社前(権現前)間での途中下車が可能で、2日間有効。運賃は最初に乗車する停留所から、最後に降車する停留所までの区間運賃なので、普通に乗るのと同じ料金で途中下車できるお得な切符です。

八木新宮線は1日3便、約2時間間隔で運行されていますので、途中下車して観光、そして次の便に乗るという使い方が出来ます。また、2日間有効なので十津川温泉等で1泊した後、引き続き乗車するなんて使い方も可能。(逆方向へは戻れないので、1枚のきっぷを往復で使用することは出来ません)

なお、切符の販売は車内でおこなわれていないため、あらかじめ奈良交通の営業所で購入する必要があります。今回は前日に郡山案内所にて往復分を購入しました。

旅日記

1日目

大和八木~本宮大社前

朝9時15分、出発は近鉄大和八木駅北口にあるバス停から。9時すぎに到着した時には、バス停にはすでに列が出来ていました。平日のわりには、人が多い印象です。

ここから約6時間半の旅が始まります。なお、あらかじめ車酔い止めの薬は飲んでおきました。

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ロータリー中央には乗車予定のバスがすでに停まっています。特急301。長距離を走るバスですが、いわゆる高速バスのような豪華さは無く、普通の路線バスです。

9時15分少し前にバス停に来ましたので、バスに乗り込みます。そこそこの混み具合。1番後ろの席の進行方向左側に、席を確保。イメージ的には進行方向右側のほうが景色が良さそうと思っていたのですが、ここではとりあえず左側です。なお、最後方から一つ前の席はその前のシートの圧迫感があるので、避けたほうが良いと思います。

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そして、いよいよ出発。しばらくは町中を走る普通の路線バスのよう。途中の病院で下りるお客や、近場へのお出かけの人も。バス停で前に並んでいたハイキング風のグループは、風の森という駅で降り、乗客は少なくなってきました。

約1時間ほどで最初の休憩駅、五条バスセンターへ到着。ここでは約10分ほどのトイレ休憩。

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バスの写真を撮ろうと思うのだが、二人組男性がバスを背景になんかしゃべっていました。youtuberなのだろうかと考えつつ、バスを撮影。

五条バスセンターからは乗客は少なくなりました。youtuber風二人組、ガチバスオタ二人組、おばさま4人組と私。席は最後方から移動して、進行方向右側の後ろから3番目、後タイヤの上の席に。振動は少し気になるものの、高い位置に窓の区切りがすぐ前に無くて、見晴らしが良いのです。

さて、五条バスセンターを出発して、五条駅に立ち寄り、吉野川を越えたところからいよいよ山道区間に突入していきます。五条病院を過ぎたあたりから、2014年までは幻の鉄道五新線跡の専用道を走っていたのですが、現在は国道168号線を走っていきます。

車窓からはところどころ五新線跡の橋なども見えました。今度はじっくり五新線の跡をスーパーカブで辿りたいなぁと思う。

そして道はすごい上り坂に入る。自転車では登りたくないくらいの坂道。しかも道は狭く曲がりくねっている。酔い止め飲んどいて良かった。バスのエンジンはそれほど轟音を上げない。トルク重視のエンジンなのだろうか。途中、十津川村についてのアナウンス。トンネルが開通するまでは、なかなか訪れることの出来ない秘境であったと。

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大塔の道の駅を過ぎたところで、新しく橋を作っていました。

新しく作られたバイパス区間を時には離れて、集落に立ち寄りながらバスは進みます。バス一台がやっと通れるような道を走って行く運転手のテクニックはすごいなと。

いくつかのつり橋が車窓から見え、最後には日本で1番長いつり橋、谷瀬の吊り橋が見えました。少し通り過ぎたところの駐車場でバスは停まります。出発から約3時間、12時10分頃に上野地へ到着。ここで20分ほどの休憩です。

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谷瀬の吊り橋までは3・4分ほどの場所。吊り橋までいって、混んでいなければ橋を往復して帰ってくることも可能です。

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吊り橋がよく見えるところまでいって撮影。吊り橋の下にはキャンプ場があります。1度来てみたい。

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吊り橋は渡らず手前からの撮影のみにしました。また、帰りに渡れば良いかと。バスに帰ってバス内で食事。動いている状態では食べる気がしないので、駐車中に食べることにしました。朝購入していたおにぎりを一つ。

この後は十津川沿いをひたすらくねくねと道を走っていきます。ここで驚かされるのは、日本の土木工事の力。古くに作られたダムはもちろん、近年作られたトンネルや橋など。このあたりは土砂災害が多いので、それに対処されているのであろう、強固な作りがうかがえ圧倒されます。

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車窓から風屋ダム。今度じっくりと訪れてみたい。

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13時30分頃、十津川温泉バス停に到着、ここで最後の10分休憩です。このバス停には足湯がありますが、youtuber風がなんやら撮影しながら利用していたので、近づかず。残念なのがトイレが男女共用なこと。女性は使いづらそう。

ここで近辺の集落の住人らしき年配の人がバスに乗り込んできます。バスを利用して買い物に来ているようで、購入したであろう品物を抱えていました。この近辺はショッピングセンターがあるので、車を持たない人にとっては、バスが重要な足替わりになっているのでしょうね。

この後は1度国道168号線を離れて、ホテル昴へバスは立ち寄ります。奈良交通も関わっているホテルなのでしょう。ここで大和八木からずっと乗っていたおばさま4人組は降車。その後、地元の方もいなくなり、バス内はyoutuber風二人組、ガチバスオタ二人組と私。

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14時20分頃、出発から約5時間で本日の第1目的地、本宮大社前に到着しました。1日目は通しでバスに乗らず、以前から来てみたいと思っていた熊野本宮大社に立ち寄ることにします。

熊野本宮大社

熊野本宮大社は熊野三山(本宮・速玉・那智各大社)の中心で、全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮。日本サッカー協会のシンボルとして利用されている八咫烏(やたがらす)でも有名です。

5分でわかる熊野本宮大社 - 熊野本宮大社 | 公式サイト
5分でわかる熊野本宮大社 - Just another WordPress site

2016年自転車日本一周の時に熊野速玉大社、昨年12月に熊野那智大社に行ったので、これで熊野三山をすべて訪れたことになります。

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鳥居の横にも八咫烏のシンボルがついた大きな幟が立っていました。

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コロナ対策でマスクをする狛犬。これも2020年らしい風景となるのでしょう。

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参道の両側には幟が立ち並んでいます。

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なかなかキツい158段の石段を上がります。

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手水舎もコロナ対策で封鎖。

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社殿内は撮影不可の看板があり。撮影はここまで。社殿内には4つの宮があり、参拝順が決まっています。私はそれを知らずに、左から順番にお参りしてしまいました。詳しく解説した看板が立っていたにもかかわらずです。きちんと調べていかなければいけませんね。

本殿のお参りの後は、大斎原(おおゆのはら)に向かいます。大斎原は、熊野川・音無川・岩田川の合流点の中洲にある、かつての本宮大社跡です。本宮大社からは、500mほどの距離。

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日本一の大鳥居がお出迎え。ずっと奈良県の大神神社の鳥居が日本一大きいと思っていたのですが、現在こちらが日本一のようです。なお、30m以上、日本一の大鳥居の変遷はこうなっています。

1981年 新潟県 弥彦神社大鳥居 30.16m
1986年 奈良県 大神神社大鳥居 32.2m
2000年 和歌山県 熊野本宮大社大鳥居 33.9m

長らく大神神社の大鳥居が日本一だったので、その印象が残っていたのですね。

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大鳥居にも八咫烏のシンボルがありました。

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かつての社殿があった場所は、緑に覆われていました。当時は、約1万1千坪の境内に五棟十二社の社殿、楼門、神楽殿や能舞台など、現在の数倍の規模だったそうです。ところが明治22年(1889年)の8月に起こった大水害で社殿の多くが流出したため、水害を免れた4社を現在の熊野本宮大社がある場所に遷座したとのこと。

本宮大社より、何も無いこちらの大斎原のほうが神聖な感じがしました。

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その後はバスの到着を待って、バス停横の和歌山県世界遺産センターを見ることに。

世界遺産を学ぶ|和歌山県世界遺産センター
世界遺産に関する展示解説、全体像を鳥瞰するランドサットマップ(衛星地図)など、本県世界遺産に関する情報を一元的に発信する展示&交流空間Kii Spiritをはじめ、セミナーや情報誌をご案内しています。

熊野本宮大社だけで無く、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」についての解説があります。ただ、内部は凝った作りになっているのですが、展示の連続性とか、内容面でわかりづらくてちょっと残念でした。

本宮大社前~新宮駅

2時間半ほどを本宮大社過ごした後、16時58分のバスに乗って新宮駅を目指します。なお、本宮大社前から新宮駅へは他社のバスも走っていますが、168バスハイク乗車券では他社のバスへは乗車できませんので注意が必要です。

新宮駅へは途中、湯の峰温泉や川湯温泉を経由していきます。湯の峰温泉に行く道が、これまたすごい上り坂でした。川湯温泉を過ぎる頃にはあたりは暗くなり始め、新宮市街地手前の熊野川沿いを走る区間では真っ暗で景色は見えず。

また、工事区間の片側交互通行や帰社時間帯の混雑もあって、市街地の国道42号線に合流する場所に来る頃には、約6分の遅れとアナウンスがありました。

そして真っ暗な中、新宮駅に到着。途中下車はしましたが、これで大和八木駅から新宮駅までの区間をずべて乗車しました。思っていたよりお尻が痛くならなかったのは、昔に比べるとバスのシートの良くなっているからでしょうか。

ただ、予約したホテルまで少し歩かなければなりません。本当なら新宮高校前停留所で降りたほうがホテルには近かったのですが、この旅の目的は全区間バスに乗ることなのでそれは許されません。街灯も少ない暗い道を、がんばって20分ほど歩いてホテルに到着。

コンビニで夕食を買ってホテルで食べた後は、シャワーをあびて寝ころんでテレビを見ているうちに眠ってしまいました。

2日目 新宮駅~大和八木駅

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GO TOトラベルで、朝食付きの通常6,000円くらいのプランが4,000円ほどで泊まれました。朝食はちょっと物足りないですが、こんなものでしょう。普通のビジネスホテルの朝食です。朝食開始時間が朝6時30分ということで開始時間にいったのですが、すでにたくさんの方が朝食をとっていました。みんな早いですね。

帰りのバスの時間は、新宮駅を7時46分に出発です。出発の準備を整え、7時くらいにホテルを出ました。

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宿泊したグランホテル。貧乏旅を常としているものとしては、充分にくつろげるホテルでした。

駅まで歩いて15分ほど。バス停に到着。

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奈良交通のバス停がある5番乗り場は、観光案内所前の他のバス停から少し離れているので、注意が必要です。

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7時44分くらいにバスがやってきました。本日は途中下車せず、新宮駅~大和八木駅まで完全乗車します。

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出発時の乗客は私一人です。そのあと湯の峰温泉あたりで5人くらい乗ってきましたが、本宮大社前で下車したのでまた私だけに。ずんずん進んでホテル昴で、昨日のおばさま4人組+登山スタイルの年配客の人が乗ってきました。

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10時頃には十津川温泉に到着。バス停横にある、足湯はこんな感じです。

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11時すぎに谷瀬の吊り橋のある上野地に到着。今回は吊り橋の途中まで進みます。思っていたより下の板がグラグラする。高所恐怖症というわけではないのですが、渡っていてあまり気持ちが良くありません。

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途中で写真を撮って、全部渡らずに途中で引き返してしまいました。

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13時すぎに五条バスセンターに到着。このあたりでもう疲れていました。しかし、ゴールまであと少しです。

14時半頃に八木駅前に到着。到着した頃には、かなり疲れていました。やはり6時間バスにゆられているというのは、キツいものです。ただ、最後までバスの中で寝ることが無かったのは、自慢できるかな。

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完全乗車記念の記念をいただいて、この旅は終了です。なお、この記念品は大和八木駅から新宮駅、または新宮駅から大和八木駅まで、同一便で完全乗車するといただけます。十津川温泉バス停到着時に申告が必要です。

https://www.narakotsu.co.jp/rosen/yagi-shingu/perfect-ride.html

まとめ

以上、片道6時間半、往復で13時間のバス旅をしてきました。

さすがに疲れてしまって大和八木駅到着時は写真もなく、とっとと電車で家に帰ってしまいました。バス旅の余韻どころでは無く、家に着いてからは頭痛がして、そのまま薬を飲んで寝ちゃいました。

久しぶりの旅だったので仕方が無いと思いつつも、今年に入ってからの腰痛で体力的に厳しくなっているのを感じました。

それにしても太川陽介さんと蛭子能収さんは、4日間バスに乗りっぱなしの旅をよくやっていたものだなと。改めて感じた次第です。バス旅万歳。