【自転車日本一周の実際 2】日本一周中の自転車メンテナンス【自転車日本一周のためのガイド 14】

もし、あなたがある日、自転車で日本一周をしてみたいと思ったとしたら、どのように進めていけば良いのでしょうか? この【自転車日本一周のためのガイド 】では、過去に自転車日本一周をおこなったサイト管理人が、自身の経験を活かして、計画の進め方や準備するものを解説していきたいと思います。

第14回目は日本一周中における、自転車のメンテナンスについて。

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旅中に必要な3つのメンテナンス

長い日本一周の期間中を快適に走り続けるためには、自転車のメンテナンスは必須です。しかし、メンテナンスといわれても自転車について詳しくないし、自転車屋さんに持って行くしかないと思っていませんか。

専門知識や工具が必要な、部品の交換や変速機の調整などは自転車屋さんに任せるとして、ここでは簡単に自身でできる日常のメンテナンスを紹介します。

空気圧の管理

自転車のトラブルで1番多いのはパンクでしょう。その中でも多いといわれているのが、段差に勢いよく乗り上げた際などに、段差とリムの間にタイヤとチューブが強く挟まれることで発生するリム打ちパンクです。

姫路にある自転車店のHPにパンクについての詳しい報告があります。主にママチャリのパンクだと思われますが、パンク原因の最多は空気不足で、半数以上のパンクは事前に予防できたとも言ってます。

なぜ自転車はパンクするの?
現役の自転車屋が明かす自転車のパンクの真実

この記事を読むといかに空気圧の管理が重要かということがわかります。また、リム打ちパンクについては、国民生活センターのこちらの報告が詳しいです。

自転車のリム打ちパンクに注意(相談解決のためのテストから No.124)(発表情報)_国民生活センター

リム打ちパンクを起こさないためには、タイヤの空気圧管理が必要です。スポーツ自転車のチューブは仏式や米式バルブが使用されているので、空気入れにゲージがついている場合があるのでそれで管理できます。

ママチャリやアラヤのフェデラルなど、英式バルブが使用されているものは基本的に空気圧が測れません。タイヤチューブを米式に交換したり、エアチェックアダプターを利用することで空気圧管理ができるようになりますが、空気入れも米式対応の必要があるので注意しましょう。

ただ日本一周中の場合、毎日空気圧を測るのは大変なので一日のはじめ、出発前に前後タイヤの側面を指で挟んで空気がしっかり入っているかの確認をするだけでも良いと思います。

チェーンへの注油

タイヤの空気圧と同じくらい、チェーンの状態の管理は重要です。油が切れるとペダルを漕いだ力が効率よくタイヤにつたわらないということになります。

激しい雨の中走行した後は、チェーンの清掃と注油をしたほうが良いでしょう。また、定期的に注油をおこないましょう(個人的には1,000kmごとくらいで良いと思ってます)。

チェーンからキュルキュルと音が聞こえてきた時は、すでに油ぎれの状態です。この時は油を差すだけで、驚くくらい回転がスムーズになります。なお、注油と清掃はセットでおこないましょう。

チェーンの注油 | メンテナンス・カスタム講座 | サイクルベースあさひ
動力となるパーツが滑らかに動かないと、漕いでもエネルギーロスになってしまいます。定期的なクリーニングと注油は大事です。

日本一周中ならチェーン掃除用のクロスを持っておくと便利です。

ネジの増し締め

自転車の走っている時の振動で、ネジ(ボルト・ナット)が緩んでくることもあります。特に注意するのが、キャリアとセンタースタンドのネジです。両方とも重量の負担が大きいところですので、定期的にネジの増し締めをしてあげるのがよいでしょう。

私はこれを怠ったため、1度キャリアのネジが落ちてしまい、その振動から異音が発生するということがありました。キャリアのネジは錆びてしまうと固着して折れてしまう可能性がありますし、それを防ぐためにグリスをしっかり塗っておくと緩みやすいということになります。ネジが折れてダボ穴がふさがってしまうよりも、緩んでしまう方がまだマシです。しっかりとグリスを塗って定期的に増し締めをおこなうのが良いと思います。

1,000kmでメンテナンス

私の日本一周中は1,000km走ったら、メンテナンスをすると決めていました。1度手を抜いたこともあったのですが、その後にキャリアのネジが落ちて無くなることがあったので、それ以降はきちんとメンテナンスをするようになりました。

内容は、タイヤの前後入れ替え、チェーンへの注油、ネジの増し締めと清掃です。タイヤの前後を入れ替えていたのは、後ろタイヤばかりが消耗するのを防ぐためのタイヤローテーションの意味とつけ外しをすることで、タイヤやチューブの状態を管理するためでした。またフレームについた汚れを定期的に掃除してあげることで、いつもきれいな状態でいられます。

自転車のメンテナンスは大変ですが、上に挙げた三つのことをおこなうだけで、快適に自転車を走らせることが出来るはずです。

自転車は消耗品だらけ

ママチャリなどでは購入して以降、1年間くらいは部品の交換などしたことがないという人も多いでしょう。しかし、自転車日本一周ではそういうわけにはいきません。自転車は消耗品の塊です。部品は走れば走るほど消耗していき、いずれ交換が必要な時をむかえます。日本一周中に交換が必要であろう部品とその目安を挙げておきます。

それぞれの消耗品について詳しく書けばそれだけで一つの記事が出来るくらいです。ここではさらっと流しておきます。

タイヤ

タイヤはそのメーカーそのモデルによって、性能に大きな違いがあります。交換時期もその性能により大きく変わってきます。ロードバイク用の軽いタイヤなどは、消耗が早くパンク耐性も弱いものもあります。これは丈夫さより、速く快適に走ることを目的としているからです。日本一周用なら、やはり耐パンク性や耐久性の高い丈夫なタイヤを選びたいところです。

タイヤの交換時期に関しては、ロードバイクですと約1~2年・走行3000~5000kmなどといわれているようです。これは保管や走行する状況によりますので、あくまでも目安でしかありません。タイヤによっては消耗度合いがわかるようにスリップサインがあるものもあります。また、タイヤ表面に大きなヒビ割れが無いかチェックも必要です。タイヤの表面に異常がある場合は、交換しなくてはいけません。

日本一周では溝の無いスリックタイヤを利用する人は少ないはずので、タイヤの溝が無くなった時が交換時期と考えるのが良いと思います。溝が無くなったタイヤで、雨に濡れた路面を走るとスリップしやすくて危険です。そしてケージング(繊維素材)やパンクガード素材が見えたら、すぐにでも交換したほうが良いでしょう。

なお、日本一周でよく使われているのが、シュワルベのマラソンというタイヤです。耐パンク性や耐久性にすぐれる、ツーリング向けタイヤです。対応するタイヤの規格が多いため、ほとんどの自転車で使えると思います。とりあえずこれを選んでおけば無難です。

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私は15,000kmの旅をタイヤ交換無しで終えました。最後の方はかなりスリップしやすい状態でしたが、摩耗しきって使えないという状態にはなんとかならずに済みました。

ブレーキシュー

命を守るために絶対に必要なブレーキ。ブレーキシューが消耗すると、きちんと止まることが出来ず非常に危険な状態となります。ブレーキシューの交換の時期も、その素材や使い方によって大きく変わります。特に雨の日の走行は、ブレーキシューの消耗が激しくなります。また、ストップ&ゴーの多い都市部など、頻繁にブレーキをかける場合も同様です。

ブレーキシューにもタイヤ同様、溝があるので、それが無くなった時が交換時期です。そのまま使い続けていくと金属がむき出しになり、リムを傷めることになります。ブレーキシューの減りは目視ではわかりにくいので、パンク修理時や自転車メンテナンス時にあわせて必ず確認するようにしましょう。

また、ブレーキシューが減ってくると、ブレーキレバーの引きしろが広くなります。ブレーキレバーを握ってから、ブレーキシューがリムを挟むまでの距離が増えるためです。ブレーキシューが新品の頃に比べブレーキのかかりが遅くなるので、このままだと危険です。ブレーキ本体やブレーキレバーにアジャスターがある場合は、それで調整しましょう。

私の場合は、10654kmの時点で交換しました。スピードを出しすぎない、峠の下りではずっとブレーキを握り続けないなど、ブレーキシューの消耗を考えた乗り方をしていました。

チェーン

チェーンの交換時期は何速用のチェーンかによっても違ってきますが、3,000~5,000kmなどといわれています。この時期というのはチェーンが切れるわけでは無くて、チェーンが伸びてくることにより交換時期といわれているのです。チェーンが伸びてくると変速性能が落ちてくるので、ロードバイクの人などはわりとシビアに考える人が多いようです。

チェーンチェッカーなどをつかってチェーンの伸びを計測し、一定の数値を超えたら交換するのが本来のやり方です。しかし、日本一周においてそれほど変速性能にこだわらないのであれば、そこまでする必要は無いと考えます。

チェーンが伸びると何がダメなのかというと、変速性能の低下を別とした場合、スプロケット(ギア板)が消耗しやすくなることです。チェーンとスプロケットの山が噛み合わなくなり削れてきて、そのうち「歯飛び」を起こすようになります。

ペダルを漕いでいると、踏み込んだ時にズルッと滑るようになるのが「歯飛び」です。これが起こるようになった時が、チェーンとリアスプロケットの交換時期と考えます。なお、この考え方は自転車業界の人などからは否定されると思いますが、現実問題として15,000kmを走る日本一周では、そうそう頻繁に交換はしていられません。チェーンを錆びさせないように定期的に注油するなど、きちんとメンテナンスをした上であれば、5,000km以上持つと思います。

私の場合は8速用チェーンを、8790kmの時点で交換しました。特に歯飛びがあったわけでは無く、ギア比の低いリアスプロケットに交換したかったので、フロントキャリアを修理したタイミングで同時にまとめて交換しました。旅の終盤では歯飛びを起こすようになりましたので、8速用なら7,000~8,000kmくらいは大丈夫では無いでしょうか。ただし9速以上の場合は、この限りではありません。

リアスプロケット

歯飛びが起こるようになった時が、チェーンとリアスプロケットの交換時期。チェーンだけ、リアスプロケットだけの交換では、歯飛びの可能性を除去できませんので、セットでの交換は必須です。

なお、歯飛びを起こさないように、同じギアをずっと使い続けるのでは無く、道路状況や体調に合わせてこまめな変速をおこなうのが良いでしょう。また、歯飛びが発生するようになった時は、フロントを変速して似たようなギア比を選ぶことで、緊急避難的な使い方が出来ます。チェーンがたすき掛けになるので、本来はあまり良くないですが。

リアスプロケットに比べてフロントのギア板は、歯数が多く消耗しにくいので歯飛びの可能性は少ないです。リアに比べて2~3倍は長持ちすると思います。

バーテープ

旅も中盤を過ぎた頃の日本一周勢の自転車は、バーテープがすり切れていたり、汚れていたりすることが多いです。見た目的な問題から、そうなった時は交換したほうが良いでしょう。

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私の場合、使っていた革のバーテープはすり切れることも無く、パターンは薄くなりましたが最後まで持ちました。

ボトムブラケット

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ボトムブラケットというのは、ペダル(クランク)の軸となる自転車にとって最重要部品です。写真に写るものはリア8速モデルに多い、昔ながらのB.B.でスクエアテーバーと呼ばれるもの。9速以上のモデルでは、色々な種類があります。

これが壊れてしまうと、ペダルが漕げなくなります。過去の自転車日本一周ブログを見ていると、10,000kmあたりで異音が発生したり、壊れて動かなくなったりしているようです。10,000kmを超えてくると注意が必要です。

私の場合、7,000kmあたりで左ワンと呼ばれるプラスチック部品が割れて交換することになりました。プラスチック部品を使ったボトムブラケットは要注意です(実際はどのようなものが使われているかわかりづらいのですが)。

以上が、日本一周中に交換が必要になるであろう部品です。

パンク修理は自身で

自転車旅とパンクは切っても切り離せないものです。

旅の途中、道の駅などで声をかけてくれた方がよく聞いてくる質問に、”パンクしないの?”とか”パンクとか大変でしょう”があります。あまり自転車に乗らない人でも、自転車=パンクと認識している方が多いようです。

私の自転車日本一周では、パンクは1度もありませんでした。それなりにパンクをしないように注意してましたので、その結果ともいえます。

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ただ、パンクする時はパンクします。私も四国お遍路の時は、結願後にパンクしました。

パンクした時は仕方がありません。その時は自身で修理できるようにしておきましょう。スポーツ自転車の場合、本体から簡単に車輪を取り外せるようになっています。タイヤの付け外しもコツを覚えれば、それほど難しいことではありません。最近では動画で解説してくれているものもありますので、出発前に1度タイヤの付け外しを経験してみると良いでしょう。

なお、その場でチューブを補修するより予備チューブと交換して出発、夕方以降の時間がある時にチューブを補修するのがより効率的です。予備チューブへの交換時は、パンクの原因となった異物などのチェックが必要です。異物を取り除いていないと、交換してもまたパンクとなることがあります。

パンク修理については、また別の記事を書きたいと思っています。

最低限持っておきたいメンテ用具

旅中のメンテナンスについて書いてきましたが、最後にメンテナンスに必要な道具についてです。最初のほうで書いた「旅中に必要な3つのメンテナンス」をおこなうための道具とパンク修理キットが、最低限持っておきたいメンテナンス用具となります。

具体的には、

  • パンク修理キット(パッチ、糊、ヤスリがセットになったもの)
  • 予備チューブ
  • タイヤレバー
  • 携帯空気入れ(出来れば空気圧がわかるもの)
  • チェーン油
  • 携帯ツール(使用してるネジに対応したもの、増し締め用)
  • チェーン掃除用のクロス

これくらいあれば、最低限のメンテナンスは自身でおこなうことが出来ます。自身でメンテナンスがおこなえる場合は別として、これ以上のメンテナンスは自転車屋さんに任せるのが良いでしょう。

心配性な私は、もっと色々持って行きましたが、実際にはあまり使っていません。

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まとめ

旅中に必要なメンテナンスは3つ。

  • 空気圧の管理
  • チェーンへの注油
  • ネジの増し締め

最低限これくらいをやっておけば、快適に自転車を走らせることが出来るはずです。

自転車は消耗品の塊なので、自転車日本一周中には交換が必要になる部品があります。

  • タイヤ
  • ブレーキシュー
  • チェーン
  • リアスプロケット
  • バーテープ
  • ボトムブラケット

10,000kmを超える旅になると、いずれは交換が必要になります。想定する旅の中間をむかえたあたりで、1度自転車店で点検をしてもらい、交換するのが良いと思います。

また、パンクは自転車旅にはつきものなので、パンク修理は自身で出来るように出発前に練習をしておくと良いでしょう。

「旅中に必要な3つのメンテナンス」とパンク修理をおこなう道具は、最低限持っておきましょう。

以上、日本一周におけるメンテナンスについてでした。

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自身での旅にくわえて、自転車日本一周ブログが大好き。たくさんのブログを読んで、自転車旅の知識を補強しています。過去の自転車日本一周ブログのリンク集も作ってますので、そちらも参考にしてください。

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40歳くらいで自転車に目覚めて約11年。現在は腰痛で苦しんでいます。今後、自転車旅は難しいかなと思いつつ、自転車旅に思いをはせてこの記事を書いています。