【まとめ6】自転車四国遍路旅で印象に残ったお寺 10選

さて、今回はお遍路で訪れたお寺の中で、印象に残っているお寺を紹介します。お遍路の場合はすべてに訪れるのですが、そうで無い場合も近くに立ち寄った際は、訪れてみてはいかがでしょうか。

第21番 太龍寺

「1に焼山、2にお鶴、3に太龍」と呼ばれる阿波霊場3難所。太龍寺が他の二つと違うのは、ロープウェイで登れること。自転車や徒歩では大変ですが、ロープウェイを使うことで楽に登れます。焼山寺や鶴林寺は、そこへ行くまでで疲れてしまって、お寺自体はゆっくりと楽しめませんでした。しかし、太龍寺はアクセスが楽だったおかげで、お寺自体を楽しむことに。

焼山寺や鶴林寺がいかにも山の中のお寺という雰囲気に対して、こちらは広い境内に、迫力のある彫り物が施された本堂や大師堂、風格のある仁王門や鐘楼門・多宝塔など見所満載で、「西の高野山」と呼ばれるのも納得のお寺です。また、持仏堂の天井に描かれた竜の絵も見応え充分です。

ロープウェイは往復で2600円と少し高い印象を受けますが、西日本最長のロープウェイで、川を越え山を越え、絶景を楽しませてくれます。また、ガイドさんの説明も楽しい!

また、私は訪れませんでしたが、ロープウェイ乗り場から少し離れたところにある舎心嶽の岸壁には大師の座像があります。急勾配を登り最後は岩を登る形になるようなので、訪れるのは大変そうですが、ここから見る景色は絶景とのことです。

時間の余裕を持って、もう一度じっくりと訪れたいお寺です。

第21番札所 舎心山 常住院 太龍寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
太龍寺の歴史・由来「西の高野」とも称される。四国山脈の東南端、標高618メートルの太龍寺山の山頂近くにある。樹齢数百年余の老杉の並木が天空にそびえ、境内には古刹の霊気が漂う。

第38番 金剛福寺

四国最南端、足摺岬の先端にあるお寺。手前の37番札所からは90kmありお遍路中最長区間、それを乗り越えた先にお寺があります。

広い境内には大きい池があり、それを中心とした庭園になっています。10月中旬でも暖かくて、あたりの雰囲気を含め、南国のお寺という印象。海の彼方にある常世の国・補陀落浄土とのつながりを想像させてくれる、そんなお寺でした。

山の中のお寺と違い、厳しさよりも温かさに包まれる優しさのあるお寺です。

第38番札所 蹉跎山 補陀洛院 金剛福寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
金剛福寺の歴史・由来四国の最南端、国立公園の足摺岬を見下ろす丘の中腹にあり、境内は120,000平方メートルを誇る大道場。弘法大師はその岬突端に広がる太平洋の大海原に観世音菩薩の理想の聖地・補陀落の世界を感得した。

第45番 岩屋寺

標高700mの地にあり参道へ至る道も厳しいものがありますが、本堂までの参道もまた険しい。急な坂道にどこまでも続く階段、まさしく修行です。ただ、たどり着いた先には、圧倒的な景色が待っていて、それまでの疲れを吹き飛ばしてくれました。

本堂は半分山に埋め込まれるような形で作られていて、いかにも山岳霊場といった雰囲気で圧倒されます。落石注意の看板もあり、読経時は注意が必要。また本堂右手には梯子があり、岸壁の仙人堂跡へも登れます。

こちらへは登ってみたのですが、あまりの怖さに上では写真は撮れずに早々に降りてしまいました。わりと高いところは平気なのですが、今回はびびってしまいました。

たどり着くまでが大変なお寺は、お寺自体の印象があまり残らないのですがここだけは別です。88ヵ所の中で一番のオススメです。

第45番札所 海岸山 岩屋寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
岩屋寺の歴史・由来標高700m。奇峰が天を突き、巨岩の中腹に埋め込まれるように堂宇がたたずむ典型的な山岳霊場である。神仙境をおもわせる境内は、むかしから修験者が修行の場としていたようで、さまざまな伝承が残されている。

第66番 雲辺寺

標高911mの四国霊場で一番高所にあるお寺です。歩いて登ると遍路ころがしの難所ですが、こちらも太龍寺と同じくロープウェイで訪れることが出来ます。

こちらのオススメはロープウェイ乗り場から山門へ至る道にある五百羅漢。一体一体が違う表情を持つそれらが、ずらっと並ぶ姿が圧巻。また、私が訪れた日は雲に包まれており、幻想的でもありました。

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山門をくぐって、階段をまっすぐ上がると大師堂に着きます。そこから左手に階段を下ると本堂。参拝順序にご注意を。これまた太龍寺と同じく境内は広くて、見るものがたくさんあるので、時間に余裕を持って訪れるのがオススメです。

第66番札所 巨鼇山 千手院 雲辺寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
雲辺寺の歴史・由来四国霊場のうち最も高い標高911メートル、四国山脈の山頂近くにある霊場で、「遍路ころがし」と呼ばれる難所とされた。現在は、麓からロープウエーで山頂駅まで登ることができる。

第71番 弥谷寺

駐車場から本堂までは500mほどあり、そこには540段の階段が待っています。45番岩屋寺と似たような印象のお寺。道中には、霊山信仰を持った修験者により刻まれた摩崖仏が今も無数に点在しており、それらを探しながら歩くのが楽しい。

階段がたくさんあって登るのが大変なのですが、それほど苦痛に感じないのは、道中に見るものが多くて楽しませてくれるからでしょう。岩屋寺を思わせる岩に埋め込まれるようなお堂もありました。

弥谷寺のある弥谷山は古来より霊山として信仰されていたとのことで、神秘的な雰囲気もあり印象に残りました。

第71番札所 剣五山 千手院 弥谷寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
弥谷寺の歴史・由来創建について今からおよそ1300年前。人皇第45代聖武天皇の勅願により、行基菩薩が堂宇を建立し、疾病平癒の為、光明皇后により、『大方広仏華厳経』がお祀りされ、寺院を創建したといわれています。

第75番 善通寺

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真言宗善通寺派の総本山であり、お大師さま御誕生の地。京都の東寺、和歌山の高野山とならぶ弘法大師三大霊跡のひとつとして、古くから篤い信仰をあつめています。

とにかく境内が広くて、伽藍もたくさんあります。観光客の多さも含めて、奈良の東大寺や薬師寺を思い出しました。言い方は悪いですが、修行の地としてでは無く、観光地のお寺となっています。もちろんそれが悪いわけでは無くて、それだけの人を集める魅力のあるお寺ということです。

「伽藍」と称される東院と「誕生院」と称される西院の、東西二院に分かれており、たくさんの伽藍が。本堂にあたる金堂、大師堂にあたる御影堂(誕生院)ともに歴史ある建物で、こちらだけでも見応え充分です。

時間の余裕を持って、もう一度じっくりと訪れたいお寺です。

第75番札所 五岳山 誕生院 善通寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
善通寺の歴史・由来五岳山 善通寺の創建は、『多度郡屏風浦善通寺之記』(江戸時代中期成立)によると、唐より帰朝されたお大師さまが、御父の寄進した四町四方の地に、師である恵果和尚の住した長安・青龍寺を模して建立したお寺で、大同2年(807)...
総本山善通寺 – 四国霊場第75番札所 弘法大師空海の御誕生地 善通寺へようこそ。

ちょっと変わったお寺

上記6ヵ所のお寺は、万人にオススメできるお寺です。以下にあげるのは、ちょっと変わったお寺というか、別の意味で印象に残ったお寺です。

第61番 香園寺

香園寺は聖徳太子の開基という四国霊場屈指の古刹ですが、建物は昭和51年に建立の鉄筋コンクリート造り。高さ16mで1階が大講堂、2階が本堂と大師堂になっております。本堂には620余の椅子席があって、お寺というよりは普通のホールといった印象です。これが四国霊場で良いのか、と思ってしまいました。

第61番札所 栴檀山 教王院 香園寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
香園寺の歴史・由来香園寺は聖徳太子(574〜622)の開基という四国霊場屈指の古刹であり、一方、境内には本堂と大師堂を兼ねた超近代的な大聖堂を構えている。また、寺が創始した子安講の輪は、海外にまで広がり現在20,000人を超えている。

第62番 宝寿寺礼拝所

四国お遍路一番のモヤモヤスポット。↓こちらの記事が詳しい。

「四国お遍路」で前代未聞の騒動 62番札所が2つになる? - ライブドアニュース
「本堂を見てもらえばわかりますが、八十八カ所のなかでも、とりわけ小さく、しがない寺です。それなのに どうしていいかわかりません。住職も『今は耐えるしかない』と話していました」そう話すのは

61番香園寺近くの駐車場が礼拝所となっていて、こちらでお参りすることで御朱印や御影をいただけます。納経所では、次に63番吉祥寺へ行ってくださいと。実際の宝寿寺へは行かなくても良いということです。

なお、礼拝所でいただける白黒の御影は62番礼拝所となっています。本来の御影は宝寿寺へ行かないともらえないのでしょう。ただし、弘法大師号授与1100年記念の御詠歌札は礼拝所で無いといただけません。

これをどう捉えると良いのかよくわかりません。ただ、こういった状況をお大師様はどう思っているのでしょうか。各所で四国お遍路を世界遺産に!と謳っていましたが、このような状況ではダメじゃ無いかなと思いました。本来は両方を訪れた方が良いのでしょうが、モヤモヤの残るお寺・遙拝所でした。

第68番 神恵院・第69番 観音寺

こちらは一つの敷地に二つの札所があるというだけでも珍しいのですが、神恵院の本堂がお寺らしくなくて、これまたかっこいい。

2002年に新しく建立されたコンクリート打ちっぱなしの近代的建築物です。香園寺はただの大きなホールでしたが、こちらは新しい時代の建造物といった趣があって、これはこれで良いのではないかと思います。

あとは観音寺本堂の向かいにあるカフェ&遍路グッズショップもなかなか良いですね。

神恵院 観音寺

自転車や歩きでのお遍路ではなかなかお土産は買いづらいですが、オリジナルのサイクルジャージなどもあって見ているだけでも楽しいお店です。

神恵院 観音寺

第80番 國分寺

最後に紹介するのは香川県の國分寺です。各県に國分寺(国分寺)はあるのですが、ここの何がすごいかというと、納経所で売られているオリジナルグッズの数々。グッズ開発にかなり力を入れているようです。

「Life is HENRO」シリーズはこのお寺オリジナルのプライベートブランドとのこと、他には無いかっこいいデザインのものがありました。

納経所の中に大師堂の礼拝所があるのですが、それよりもお遍路グッズに目が行ってしまいました。こういうお寺が一つくらいあっても良いですよね。

お守り | 讃岐國分寺 | 讃岐国分寺
耳を澄ませば、1300年の歴史の音が聴こえてくる。第80番礼所 讃岐國分寺 | 讃岐国分寺

まとめ

以上、印象に残ったお寺10選でした。

1ヶ月で88のお寺に訪れたわけで、最初の方で訪れたお寺は、どんどん記憶の中から消えていってしまいます。お遍路を振り返った時に、もう一度行ってみたいとか、ここは良かったとすぐ頭に思い浮かんだのが、最初に紹介した6ヵ所です。

お遍路の場合はすべてのお寺を廻るわけですが、この6ヵ所はお遍路としてでは無く、近くに立ち寄った際はぜひ訪れていただきたい。どちらのお寺も素晴らしいお寺です。ただ観光地化されていると言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それだけ多くの人を引きつける魅力を持ったお寺ともいえるでしょう。

これら以外にも、荒々しい岩の上に本堂が建つ第14番 常楽寺、遠くからでも目立つ赤い瑜祇塔(ゆぎとう)が印象的な第23番 薬王寺。小さいながらも急な階段があり、その中ほどにある鐘楼門が印象的な第25番 津照寺、天井に飾られた575枚の絵が印象的な第37番 岩本寺。B級スポット的な味わいを持つ第51番 岩手寺、全国的に珍しい三連鳥居が参道に立つ天皇寺、山岳信仰との関わりが見られる第82番 根香寺などなど。改めてガイドブックを読んでいると、それらのお寺を訪れた記憶がよみがえります。

61番・62番に関しては、ちょっと疑問を持ったために印象に残ったところ。最後の2つはネタみたいですが、物販による新しい形を提供しているような気がして、88もお寺があるのだから、こういった所があっても良いじゃないかということで。

今まではどちらかというと、お寺より神社の方が好きでした。しかし、お遍路の経験を経てお寺の良さにも目覚めてきました。次は西国三十三所を訪れてみたいなと思ってます。

2019年 自転車四国お遍路旅 目次
2019年10月4日スタート、自転車による四国八十八ヵ所お遍路の旅。事前の準備や旅中の日記、帰宅後にまとめた記事など。自転車やオートバイ、徒歩によるお遍路を考えている方の参考になればと思います。