さて、先日吉野山にある金峯山寺に行ってきました。こちらには日本最大(7m)の秘仏本尊があり、10月16日より秋の特別公開がおこなわれています。
金峯山寺
金峯山寺(きんぷせんじ)は、奈良県吉野郡吉野町にある金峯山修験本宗(修験道)の本山である。本尊は蔵王権現、開基(創立者)は役小角と伝える。
金峯山寺の所在する吉野山は、古来より桜の名所として知られ、南北朝時代には南朝の中心地でもあった。「金峯山」とは単独の峰の呼称ではなく、吉野山(奈良県吉野郡吉野町)と、その南方二十数キロメートルの大峯山系に位置する山上ヶ岳(奈良県吉野郡天川村)を含む山岳霊場を包括した名称である。
吉野・大峯は古代から山岳信仰の聖地であり、平安時代以降は霊場として多くの参詣人を集めてきた。吉野・大峯の霊場は、和歌山県の高野山と熊野三山、およびこれら霊場同士を結ぶ巡礼路とともに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっている。
出典:Wikipediaより
旅日記
まずは近鉄電車で吉野駅まで。
駅前には桜色の丸ポストが。
吉野駅から歩いてすぐのところには、現存する日本最古のロープウェイ・吉野ロープウェイがあります。2017年から運休していて、資金難で再開が危ぶまれていましたが、2019年3月より運転再開。2019年6月から金、土、日、月曜日のみの運行となっていましたが、秋の観光シーズンである10月30日から11月30日までは毎日運行になっています(代行バスは運休)。
ケーブルのりばあたりは、赤く色づいていてきれいでした。今回はロープウェイに乗らず徒歩で金峯山寺に向かいます。ロープウェイ乗り場の横の脇道からの軽いトレッキングコース。
七曲りという車道もあるのですが、徒歩向けの道もあるのでそちらを進むことにしました。ただこちらの山道は傾斜がキツく、たるんだ体にちょっとキツいコースでした。
ロープウェイの料金を省きつつ、体にカツを入れるため選んだ歩きだったのですが、早くも後悔。心臓のバクバク音が激しく、紅葉の中を登っているというのにあたりは視界に入らず、ひたすら歩くのみ。
途中の車道と交差するところで、ロープウェイの交差する様子が見られました。ロープウェイに乗っていれば、楽だったのにと、羨ましくも眺める。
この後山道を歩くのがキツくなってきたので、車道を歩くことに。傾斜が緩やかになり、少し楽になり周りを見回す余裕も出てきました。七曲りの道沿いには桜の木が植えられており、春になれば桜のトンネルになるのでしょう。展望が開けたところにベンチがあったので、少し休憩。
まだ少し紅葉には早かった? 紅葉は高いところから始まるから、逆に遅かったのか?
坂道を乗り越え赤い橋を渡れば、金峯山寺まであと少し。このあたりから食堂やお土産屋さんがあり、門前町の様子になっていきます。
金峯山寺の総門である黒門。
銅で作られた銅鳥居(かねのとりい)。こちらは重要文化財です。
そして国宝の仁王門。残念ながら修理中。平成30年(2018年)から8年間の予定とのことで、その姿をしっかりと見られるのはかなり先のことになります。
境内にはいるとこちらも国宝の本堂(蔵王堂)があります。高さ34メートル、四方36メートル。
特別ご開帳は拝観料大人1,000円。ミニ木札と拝観時に靴入れとして使う特製エコバッグもついているので、かなりお得な料金です。秘仏は外からはわずかに見える程度。拝観料を払わずともお参りは出来ますが、この秘仏を見られる時に見ないのは、はっきりいってもったいないです。
なお、蔵王権現像の写真は引用なども難しいので、苦肉の策で書籍の表紙を参考に貼っておきます。
靴を脱いで本堂に入ると、すぐに巨大な蔵王権現立像が3体。Wikipediaには「仏教の仏とも神道の神ともつかない、独特の尊格である」とあるように、それは仏様といって良いのか、私にはわかりませんでした。仏様というより鬼。そんな風に見えました。
案内係の人が像の前の区切られた部屋に入ってくださいという。これはコロナ禍における特別な対応なのか、以前からの対応なのかわからないのですが、一人の空間でゆっくりとこれらの像を見ることが出来ました。しかし、その実はただただ圧倒されていただけだったのかもしれませんが。仏様の優しさに包まれるのではなく、厳しく叱られているような感じ。母性ではなく父性を持った像といえば良いのでしょうか。
自身の現状を受け入れてくれるのではなく、己はそれで良いのかと問い詰められているような。
以前から見たいと思っていた蔵王権現像の実物はやはり素晴らしかった。皆様にも是非ご覧いただきたいところです。
なお、JR東海の「うましうるおし奈良」の特設ページが素晴らしいので、是非こちらでそのお姿を見てください。(このサイトがいつまであるのかわかりませんが、ずっと残してくれるとうれしいですね)

小角はその地で千日の修行をした際に、衆生を救う仏の出現を祈った。最初に現れたのは釈迦如来。しかし小角は、その姿では乱れた今の世の猛々しい人々に響かない、と訴える。次に現れたのは千手観音。観音はさまざまな姿に身を変えて救ってくださるが、小角はやはり乱世にふさわしくない、と言う。次に現れた弥勒菩薩にさえ、首をたてに振らなかった。どうか、世に満ちた悪を打ち払うような強い仏を──そう望んだとき、地が揺れ、雷鳴が轟き、岩を割って現れたのが蔵王権現だった。そう、あの恐ろしい忿怒(ふんぬ)の形相で。
出典:JR東海うましうるおし奈良「蔵王権現─魔を破る、青き異形の仏」より
本堂の中には他にも仏像が多数。青くない木造蔵王権現立像も素晴らしい。本堂自体も立派な作りで圧倒されっぱなしです。
それにしてもこの巨大な本堂に使われている柱は立派なものが多い。吉野には立派な木が多かっただろうから、惜しみなく利用されたのでしょう。本堂の中でそんなことを考えていました。
お参りを終えた後は、門前町のお土産屋さんをひやかしながら、中千本方面へ少し歩くことに。
食事処やお土産屋さんが並びます。
法螺貝が売られていました。当然ながら、なかなか良い値段です。
食べ歩き用の葛餅を購入。きなこと黒蜜がかかっています。
この日にぎわっていたお豆腐のお店。いかにもな昔ながらの食事処と違い、オリジナルのメニューがでよさげでした。豆腐ハンバーグや豆腐ラーメンには心引かれました。はいろうかなと思ったのですが、それほどお腹もすいてませんでしたので、パスしちゃいましたが。
本日の目的は金峯山寺の蔵王権現でしたので、門前町をぶらついたあとはすぐに帰ることに。帰りもロープウェイは使わずに、歩いて帰ります。徒歩向けの道は急な下りになるので、ここは舗装された七曲りの道を下ることに。
紅葉のトンネルを抜けるような。
金峯山寺への上り坂は大変でしたが、下り坂は気持ちよく下ってきました。それはただ坂道を下るのが楽だっただけではなく、金峯山寺での蔵王権現立像を見たことにより、何か心が動いたような、少し心が楽になったからかもしれません。
駅で電車を待っていると、到着したのがラッピング電車「あすか万葉」でした。

里中満智子さんのイラストが使われています。帰ってきてから調べてわかったのですが、車両のどこかに里中満智子さんのサインも書かれているようです。
特別な電車が見られてラッキーと思っていたら、今度は観光列車ブルーシンフォニーがやって来ました。
上品なデザインが良いですね。
蔵王権現像が見られただけでも充分に満足の旅でしたが、最後に特別な列車も見られてさらに満足の旅になりました。