さて、今回はおもちゃメーカータカラが放った最後のデジカメ、プチショットの紹介です。
タカラのおもちゃデジカメ
おもちゃメーカーとしては、トミーに続き早い時期からおもちゃデジカメを発売したタカラですが、ヒット商品に恵まれることなく終了してしまいました。
ほとんどの商品が10万画素の、いかにもおもちゃといったデジカメだったので、これは致し方なし。
2001年3月に発売されていますが、前年にカシオLV-10とマクセルWS30が販売され、人気を博していただけにあまり売れなかったようです。当時の記事によるとマクセルWS30が1万円前後で売られている中で、12,800円で発売されたようです。
サイズ的には小さく薄型で、10cmの接写可能が売り。縦型のデザインは、当時人気のあったfinePixを参考にしたのかもしれません。個人的には画質もなかなか良いと思うのですが、当時としてはLV-10やWS30に軍配があがったようです。
プチショット仕様
- 画像素子:35万画素CMOSイメージセンサー
- 出力解像度と保存可能枚数:高解像度(640×480) 26枚、低解像度(320×240) 107枚
- メモリ:8MB SDRAM
- レンズ:F2.6 固定焦点ガラスレンズ(4群4枚)
- 露出:自動
- 撮影範囲:マクロ 10~15cm、標準 0.5m~∞
- 電池寿命:連続使用時 約2時間、スタンバイモード 約1週間画像保存可能
- サイズ:55×71×25mm(幅×高さ×奥行き)突起部含まず
- 重量:約70g(電池別)
- 電源:単4型アルカリ電池×2本
- 本体カラー:シルバー
- 付属品:USBケーブル、ネックストラップ、CD-ROM、取扱説明書
- 製造国:韓国
- 販売価格:12,800円
こちらもヤフオクで購入。ネックストラップは欠品していました。
各部紹介
レンズに関する記載は、パッケージや取扱説明書にはありません。発売当時の情報サイトによると、F値2.6の固定焦点ガラスレンズ(4群4枚)とのこと。焦点距離は不明。レンズまわりにあるレバーで、フォーカスの切り替えをおこないます。モードが切り替わる訳ではなく、レンズが繰り出すことによりピントの位置を変えています。
STV680チップを使用しているので、操作や液晶表示はche-ez!SPYZやiX-1と同じ。
ファインダーには撮影範囲がわかるように、枠が表示されています。これはわかりやすい。
本体上部にはシャッターボタンとストラップ穴。
本体左側にはパソコン接続用のコネクタと電池カバー。コネクタの形状はUSBミニBコネクタに似ていますが、少し大きさの違う専用コネクタ形状です。
電池カバーを開けたところ。単4アルカリ乾電池2本使用。電池カバーはスライドさせて引っかける形。プラスチックの爪が割れてしまうと、閉まらなくなるので注意が必要。この辺の作りが、安っぽいです。
本体右側はグリップになるため、段々がつけられています。
おもちゃデジカメでは珍しい、韓国製です。
底面にはシリアルナンバーと注意書き。三脚穴はありません。
パソコン用ソフト
AXIA iX-1と同じように、パソコン用ソフトというよりTWAINドライバーなので、グラフィックソフトから呼び出す必要があります。取扱説明書ではWindows98に標準で入っているイメージングというソフトを利用して取り込むように書かれています。
windows98・98SE、Me対応。NT、2000は非対応。MAC(OS8.6、9.0)はネットでの対応。推奨環境は、CPUがPentium200MHz、メモリ32MB以上、ハードディスク300MB以上の空き容量が必要です。
TWAINドライバーは動作が不安定になりがちなので、こちらのドライバーは試していません。
che-ez!SPYZと同じSTV680チップを使ったカメラなので、「che-ez! manager」で画像を取り込んでいます。
実写画像
すべて高解像度(640×480)モードで撮影、che-ez! managerで取り込み。BMPファイルをJPEGファイルに変換しています。こちらは標準モードでの撮影。
iX-1と同じ場所で撮影しています。iX-1に比べると、周辺にゆがみがあるのと、ピントがかなり甘くなってます。ファインダーに撮影可能枠があるわりには、フレーミングが決まっていないですね。
次はピントレバーをマクロと標準の中間辺りにセットして、30cmくらいの距離で撮ったもの。
次はマクロモードで撮影。
10cmくらいの距離で撮ったもの。近接撮影になると、ファインダーで見たのとズレが大きくなります。
15cmくらいの距離で撮ると、こんな感じです。
まとめとリンク
以上、タカラのプチショットでした。
周辺部分に歪みやピントの甘さがありますが、横線のノイズなどはなくまぁまぁな画質。フレーミングが難しいですが、マクロモードはそこそこ使えそうです。
撮影時気になったのが、逆光時にシャッターが切れなくなること。露出オーバーの判断と思われますが、che-ez!SPYZやiX-1より撮れないシーンが多かったように思われます。
以下に発売時の情報サイトへのリンクです。
STICK SHOT MX/PETIT SHOT(Ascii.jp 2001.2.8)
スパイ気分の小ささ!! タカラのデジカメ(ケータイ WATCH 2001.3.1)
PETIT SHOT(Ascii.jp 2001.7.25)