さて、今回はおもちゃメーカーバンダイが販売した意外と普通のおもちゃデジカメ、FSTYLE miniの紹介です。
FSTYLE / FSTYLE mini同時発表
バンダイ=プラモデルのイメージが強いのですが、バンダイもおもちゃデジカメを発売していました。トミー、高木産業、タカラに引き続き、おもちゃデジカメを発売したのがバンダイでした。タカラに遅れること1ヶ月。2000年の4月、「C@Mail」を発売。いかにもおもちゃといったデザインで、性能的にも今ひとつ。
2001年4月になって、FSTYLE / FSTYLE miniの販売を同時発表。FSTYLEが同年6月、FSTYLE miniが同年5月下旬の発売とアナウンスされました。それまでのおもちゃのようなデザインでなく、当時人気を博していたカシオLV-10やマクセルWS30のような、よりカメラ的なデザインでした。
FSTYLE / FSTYLE miniの大きな違いは、スマートメディアの対応。この頃のおもちゃデジカメはパソコンとケーブルで接続して、データを吸い上げるのが主流。まだまだ記録メディア(コンパクトフラッシュやスマートメディア)の値段も高い時代でした。それ以外には動画撮影機能に少しの違いがあるのみ。
価格はFSTYLEが12,800円でFSTYLE miniが8,980円と、値段は3,000円も違いました。記録メディアも別途買わなければならないとなると、売れるのはやはりFSTYLE miniという
ことに。
FSTYLE mini
FSTYLE miniの特徴は、機能を無難にまとめ、低価格で販売したところ。マクセルWS30よりは少し大きいけど、カシオLV-10よりは少し小さい。マクロモードは無いけれど、他のおもちゃメーカーの機種にはないフラッシュがついています。それでいて定価で8,980円と思い切った値段です。
ただ、値段以外のインパクトはあまりありません。この年の9月に発売された、che-ez!SPYZのようなヒット商品とはいかなかったようです。
FSTYLE mini仕様
- 画像素子:30万画素CMOSイメージセンサー
- 出力解像度と保存可能枚数:高解像度(640×480) 26枚、低解像度(320×240) 107枚
- メモリ:8MB SDRAM
- レンズ:F3.0 f=6.0mm(35mmフィルムカメラ換算53mm)
- 撮影範囲:0.6m~∞
- 最適ストロボ範囲:1.5~2.0m
- 電池寿命:写真撮影 約1000枚、フラッシュ発光 約50回
- サイズ:90×60×26mm(幅×高さ×奥行き)突起部含まず
- 重量:約84g(電池別)
- 電源:単4型アルカリ電池×4本
- カラー:ブルー、オレンジ
- 付属品:USB ケーブル、ストラップ、CD-ROM、取扱説明書
- 製造国:台湾
- 販売価格:8,980円
各部紹介
レンズに関して説明書やパッケージに記載はありませんが、発売時の情報サイトではレンズ:F3.0 f=6.0mm(35mmフィルムカメラ換算53mm)と報道されています。
右上にシャッターボタンと右横にストラップ穴。
本体右側にパソコン接続用のUSBタイプBコネクタ。
本体下に三脚穴があります。
背面にはMODEボタンに液晶ディスプレイ、フラッシュのスイッチがあります。台湾製であることを示す印刷がされています。
単4アルカリ乾電池4本使用。フラッシュを使わないのであれば、下側に2本セットするだけで利用できます。
ロゴも印刷です。
パソコン用ソフト FSTYLE mini マネージャー
パソコンへのデータをアップロードするために「FSTYLE mini マネージャー」というソフトを利用します。che-ez!シリーズの「che-ez! manager」とほぼ同じ機能のソフトです。
windows98・98SE、Me、2000に対応。推奨環境は、CPUがPentium300MHz、メモリ32MB以上、ハードディスク200MB以上の空き容量が必要です。
MACはホームページからドライバーのダウンロードでの対応でした。
「che-ez! manager」とほぼ同じくwindows10ではソフト自体は起動するものの、画像の取り込みできず。windows7では取り込むことができました。画像を読み込むためのドライバーが、windows10には対応していないみたいです。
取り込み時の保存形式はbmpファイルのみ。jpegにするために、グラフィックソフトかコンバーターが必要です。
なお、STV680というチップセットを利用しているので、同じチップセットを使うカメラのソフトを利用することも出来ます。この辺りは別の機会にまとめたいと思っています。
実写画像
すべて高解像度(640×480)モードで撮影、「FSTYLE mini マネージャー」で取り込み。BMPファイルをJPEGファイルに変換しています。
全体的に淡いというか、もやっとした画像です。ソフトフォーカスっぽいというか、コントラストがないというか。ひょっとしたらレンズが経年劣化で傷んでいるのかもしれません。
まとめとリンク
以上、バンダイのFSTYLE miniの紹介でした。
外見も含め意外と無難且つまともなデジカメに仕上がっていますね。兄弟機のFSTYLEはまたいずれ紹介します。バンダイらしいおもちゃデジカメというと、この後に販売される「Digital Mono Eye MS-06 ZAKU II」が一番バンダイらしい商品といえるでしょう。