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「七井コム斎のガンダム講談完全版」に行ってみた

2019年1月20日、大阪のなんば紅鶴で行われたイベント「七井コム斎のガンダム講談完全版」に行ってきました。

ガンダム講談とは?いかなるものだったのでしょうか。

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イベントがおこなわれた、なんば紅鶴は大阪千日前の『レジャービル味園』2階にある、イベントスペースです。味園ビル、初めて行きましたが、2階は怪しげなお店ばかりで興味深いです。

なお、イベントタイトルはガンダム講談となっておりますが、ほか4名の芸人さんも出演しております。なので講談だけでなく、芸人さんのネタもありました。

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七井コム斎「ガンダム講談」とは

七井コム斎さんは、2000年に旭堂小南陵(現在の4代目旭堂南陵)に入門。当時の名は、旭堂南半球。2006年から、ガンダム講談をスタート。

最初の5年間はとにかく基礎。浮気せずに古典をやって、師匠からやっと『好きなことやってええで』って言ってもらえたときに初めて『やらせてください』と。でも、最初は師匠に一蹴されまして。だから、許してもらったというよりも自分で勝手に、破門される覚悟で2005年ぐらいから版権関係の許可を取るなどの準備を始めて、2006年に最初のガンダム講談会をやったんです。(マイナビジャーナル 2010/10/30より)

2007年、東京で行った講談会に、富野由悠季が突然やってきて、『これは大変おもしろい試みだ』と言ったとのこと。

また、コム斎さんのツイッターでは

七井コム斎 (@nanai_komusai) on X
ガンダム講談を初めた時著作権を気にして外伝ならいいだろうと(ぜんぜんよくない)0083のアナベル・ガトーの一年戦争当時の活躍を講談にした、それを富野御大が直接見て「君の講談は素晴らしいけど題材がよくない僕のガンダムは全部使っていいからもっとちゃんとガンダムを観なさい」と叱られた

と打ち明けています。

2010年ころ、話題になりメディアでも取り上げられました。私が初めて知ったのもこの頃です。

伝統話芸でアニメを語る! – 人類初の「ガンダム講談」講談師・旭堂南半球(マイナビジャーナル 2010/10/30)

関西で話題の「ガンダム講談」が9月26日に新宿に見参!(animate Times 2010/08/09)

「機動戦士ガンダム」を講談で語る「ガンダム講談会」へのチケットをGIGAZINE読者にプレゼント(Gigazine 2010/10/21)

2011年に独立しフリーに、その時より、現在の芸名に。

ガンダム講談はファーストガンダムに始まり、ZやZZなど主に富野ガンダムを中心に作られ、最近ではターンAガンダムをされていました。

今回のファーストガンダム講談は、10年ぶりとのこと。今年は月1回のペースで、ファーストガンダムの講談をされるとのことです。

1席目「ガンダム大地に立たすな!」

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アニメのタイトルは「ガンダム大地に立つ」ですが、ジオン目線で「立たすな」になってます。

最初にTV版と映画版のナレーションの違いから。BGMも言葉で表現します。ででーんとか。講談がどういうものか知らないので、これが講談独特のものなのか、コム斎さん独自の表現なのか。

アニメのストーリーをなぞるだけでなく、独自の解釈や解説が挟み込まれて、話は進みます。講談って、調子を取りつつ、喋って聞かせるだけのものと思っていたのですが、身振りや手振りをくわえ、動き回りながらの表現でした。

特に圧倒されたのは、その声量です。一番前で座って聞いたのですが、声の迫力がすごいですね。このあたり、You Tubeでは味わえないところです。

ガンダムが立ち上がったときの姿を、流れるような表現で語り尽くす!これは講談の伝統的な表現だろうなと勝手に思ったのですが、鎧武者を表現するような形で、なんと格好良いことか!また、ザクがマシンガンを構えて、狙い撃とうとする姿の描写も。

汗をほとばしらせながら、語り尽くす講談師の姿のかっこよさを、味わっているとあっという間に時間は過ぎてしまいました。

2席目「赤い彗星の驚き」

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TV版第2話「ガンダム破壊命令」をもとした、「赤い彗星の驚き」が2席目です。着物も赤い彗星に合わせて、赤になってますね。

シャアの名言「認めたくないものだな、自分自身の若さ故の過ちというものを」の言い方が、10年前とは変わったとのことです。以前は高飛車な感じだったのが、苦虫を噛み潰したようになったとのこと。(若干うろ覚え)

今回もシャア専用ザクの描写が格好良い!ひたすら楽しく聞いたのですが、最後のオチのところが、いまいちよくわかりませんでした。私はそれほどガンダムオタクではないので、こちらの勉強不足かな。1席目に比べて、短かった印象です。

3席目「ホワイトベースは反転する」

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TV版第3話「敵の補給艦を叩け!」をもとにした、「ホワイトベースは反転する」が3席目。

コム斎さんいわく、ガンダムがたとえ3話で打ち切りになったとしても、名作になってであろうと。そしてこの、第3話に描かれた、ホワイトベースが補給中のシャアの戦艦を攻撃したことが、この1年戦争のターニングポイントであったと。私なんかは、子供の頃見た記憶では、旧ザクが出てくる話くらいの認識しかありませんでした。

ガンダムがそれまでのロボットアニメと違ったのは、兵站を描いていること。そんな話から始まりました。

聞いていると、無性に早く家に戻って、TV版のガンダムが見たいと。こういう見方もあるのだなと、驚かされました。旧ザクの描写はそれほどでもありませんでしたが(笑)

まとめ

今回のガンダム講談を聞いて、感動を覚えました。話芸・表現としての面白さ。そして、ガンダムへの考察の鋭さ。オタクが知識を競っているわけではなく、物語を独自に解釈したり、それを表現するためにわかりやすく解説したり、ギャグを交えたりと。

いわゆるガンダム芸人の知識の披露やものまねと違い、伝統芸をベースにした完全なる芸ではないかと思ったのでした。

ガンダムをもう一度見たいと思ったのと同時に、伝統芸としての講談も聞いてみたいと思ったのでした。ガンダム講談の次回は2月10日に開催するとのことでしたので、次回の予約も入れてしまいました。

そして、家に帰って早速、アマゾンプライムでTV版ガンダム第1~3話を見ました。いまなら、無料で見られるのです。

なお、ガンダム講談以外の、芸人さんのネタに関しては、あまり笑えませんでした。講談と対峙する芸としては、弱いんじゃないかと。