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【自転車日本一周の準備 3】日本一周用ママチャリを考える【自転車日本一周のためのガイド 7】

もし、あなたがある日、自転車で日本一周をしてみたいと思ったとしたら、どのように進めていけば良いのでしょうか? この【自転車日本一周のためのガイド 】では、過去に自転車日本一周をおこなったサイト管理人が、改めて計画の進め方や準備するものを解説していきます。

第7回目はちょっと番外編的な内容で、日本一周用ママチャリについて考えます。

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ママチャリで日本一周

【自転車日本一周の準備 1】日本一周の自転車【自転車日本一周のためのガイド 5】の中で、日本一周用としてママチャリはオススメしない旨を書きました。車体重量が重いこと、変速機能が劣ること、メンテナンスが面倒なことなどのデメリットがあり、日本一周をママチャリで行うには苦行に近いと考えてのことです。

しかし、そんなママチャリで日本一周を行う人は、毎年おります。自転車日本一周のためのガイドと謳っているからには、そういう人向けの内容を書いても良いかなと思いました。実際、検索してみたところ、ママチャリで日本一周を行った人のブログはありますが、日本一周のために、どのようなママチャリを選んだらよいのか、どのような装備が向いているのか書かれた記事はありません。

自転車日本一周にママチャリは向いていないと思いつつも、自身がママチャリで日本一周するとしたらどういう自転車を選ぶか? どのような装備をととのえるか? 色々と調べた結果が今回の記事です。

ママチャリとは?

まずは、そもそもママチャリとは何かということです。自転車を作っているメーカーに、ママチャリと謳った自転車はありません。シティサイクルとか、ファミリーサイクル、ファッションサイクルなどと呼んでいます。

あのWikipediaでさえも、ママチャリという項目はありません。あるのはシティサイクルという項目で、その中に「ママチャリ」を俗称として解説されているくらいです。

ここではママチャリの定義はおいといて、ママチャリにはどのようなものがあるかです。調べたところ、見た目で大きく分けて、買い物用(狭義のママチャリ、ファミリーサイクルと呼ばれることも)と、通勤・通学用(シティサイクル、広義のママチャリ)があることがわかります。以下、この記事内では買い物用、通学用と呼ぶことにします。

買い物用(狭義のママチャリ)

昔は婦人用自転車と呼ばれた形で、ママのチャリンコ(自転車の俗称)でママチャリ、これぞママチャリという形です。特徴としては、セミアップハンドルで、両立スタンドとリアキャリアが必須といったところです。

日常の買い物利用を考え、荷物を載せられることや駐輪時の安定性を中心に考えられていると思われます。走行性能は重要視されないため、変速機能は無しのもの、内装3段のモデルが多いです(もちろん外装6段モデルもあります)。

体の小さい人向けに24インチのモデルが用意されている場合もあります。

通学用(シティサイクル)

この形をママチャリと呼ぶのは、個人的には疑問でありますが、販売時に買い物用と同列で並べられているので、広義のママチャリといっても良いのでしょう。個人的にはシティ車とかシティサイクルという方が、しっくりきます。特徴としては、オールラウンドバーハンドルで、スタンドは一本足のサイドスタンド、リアキャリアがないものも多いです。ほぼ、買い物用と変わらない形のものも、通学用のカテゴリーの中にある場合もありますが、ここでは見た目の特徴として分けていると考えてください。

男子学生が利用しているイメージが強く、耐摩耗・耐パンク性の高いタイヤを採用するなど、ママチャリよりも長い距離を走ることを想定されているモデルも多いです。変速機能としては多段モデルも多く、外装6段モデルも用意されています。

最近の男子学生は体が大きいからか、外装6段モデルでは27インチモデルしか無いメーカーもあります。

買い物用と通学用の違い

それぞれの特徴としても書きましたが、買い物用はセミアップハンドルで、両立スタンドとリアキャリアが必須で、通学用はオールラウンドバーハンドルで、スタンドはサイドスタンド、リアキャリアがないものも多いです。

これらの違いが日本一周用として考えた場合、どのような影響をもたらすのか。もし日本一周用に選ぶとしたなら、どちらの形が良いのか? 次に各パーツから考えていきたいと思います。

ママチャリを構成するパーツについて

ハンドルバー

買い物用はセミアップハンドル、通学用はオールラウンドバーハンドルが特徴となっています。それ以外にもアップハンドルやプロムナードハンドルと呼ばれるものなどがあります。

セミアップハンドル

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セミアップハンドル 出典:サイクルベースあさひHPより

ママチャリのハンドルといえば、これをイメージする人も多いと思います。このハンドルだと乗車姿勢は立ち気味になりお尻に重心がかかるので、長距離を乗る場合はお尻が痛くなります。

オールラウンドバーハンドル

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オールラウンドバーハンドル 出典:サイクルベースあさひHPより

通学用で採用されているのが、このハンドルです。むしろこのハンドルの自転車のことを、シティサイクルと呼ぶのが基本では無いかと考えます。

セミアップハンドルに比べて、乗車姿勢が前傾になるのでスピードを出しやすいなど特徴があります。また重心をサドルとハンドルを分散させることで、お尻が痛くなるのを若干防ぐことができます(後述します)。

オールラウンドバーハンドルといっても、一文字に近いものから手前にやや曲がっているものまで種類があります。クロスバイクに採用されているのは、フラットバーやストレートバーと呼ばれる一文字に近いものです。

アップハンドル

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アップハンドル 出典:サイクルベースあさひHPより

ママチャリのハンドルがほぼセミアップハンドルと書きましたが、セミじゃないアップハンドルもあります。かつてブリヂストンサイクルが、カマキリという自転車に採用して大ヒットとなったものです。カマキリハンドルなんて呼ばれ方もします。オートバイでいうところの、チョッパーハンドルのイメージかもしれません。もちろんお尻に重心がかかるので、長距離運転には向いていません。

現在、採用しているモデルは少ないのですが、ハンドル単体では販売されています。

プロムナードハンドル

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プロムナードハンドル 出典:サイクルベースあさひHPより

セミアップハンドルとオールラウンドバーハンドルの中間といったところでしょうか。バーハンドルより手前に曲がっていますが、高さが無いスタイルです。ただし、プロムナードハンドルにも高さのあるモデルもあって、定義は今ひとつよくわかりません。採用しているママチャリは少なくって、ちょっとオシャレなママチャリに採用されている印象です。

リアキャリア

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リアキャリア 出典:サイクルベースあさひHPより

買い物用自転車には必須といって良いリアキャリアですが、通学用ではオプション扱いのモデルも多いです。特に低価格のモデルには採用されていないことが多いです。学生さんは前かごやバックパックを利用するので、必要が無いと考える人も多いのかもしれません。

日本一周には必須ですが、注意するところは耐荷重。カタログなどのリアキャリアの記載を見るとクラス10やクラス27と書かれています。このクラスのあとの数字が耐荷重を示すようです。

自転車の最大積載量って、ご存知ですか? | ぶろぐ・で・あさひ
JIS規格では、乗車する人間の体重を65キロと規定していますが、荷物はどうなのでしょうか?最大積載量についてのおはなし。

チャイルドシート対応のものは、27kgまで対応のものが多いようです。大量の荷物を載せるためには、できるだけ耐荷重の高いものを選択するのが良いでしょう。なお、スポーツ自転車用のキャリアはダボ穴が無いため、取り付けは難しいです(アダプタを使えばつくかもしれません)。

スタンド

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両立スタンド 出典:サイクルベースあさひHPより

買い物用では両立スタンド、通学用ではサイドスタンドが多いです。日本一周用としてはもちろん、両立スタンドが望ましいです。ただ、荷物が多くなってくると、両立スタンドも壊れる場合があるので、交換時にはしっかりした両立スタンドに交換することをお勧めします。地面に接する部分がL字型になっている、新聞配達用の自転車に使われているようなものがあります。

外装変速/内装変速・変速無し、およびタイヤサイズにより取り付け可能/不可があるので確認が必要です。

変速

日本一周用として考える場合に、重要なポイントです。ママチャリでは変速無し、内装3段変速、外装6段変速の3種類が一般的です。内装5段などもありますが、ごく少数のモデルしかありません。日本一周用としては、最低限変速機能のあるものを選びたいところです。

変速無し

変速無しのママチャリは、利用する地域が主に平地で坂道の少ない場所用です。キツい斜度の坂道を登るのは大変なので、日本一周用としては、オススメできません。日本一周を難行苦行ととらえるなら、変速無しモデルを選択するのも”あり”かもしれません。

内装3段

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内装3段変速 出典:サイクルベースあさひHPより

変速機能が後輪のハブのなかにあるものです。機構が内部にあるために、泥汚れに強く耐久性があります。停止時にも変速ができる、チェーントラブルが少ないなどがメリット。デメリットは外装変速機に比べて重いことと、変速段数が限られること。後述するベルトドライブ・シャフトドライブの自転車では内装変速機が用いられます。

日本一周において重要なのが、軽く漕げるギア比。ギア比は、クランクを1回転させたときに、後輪が何回転するかを表す数値です。ギア比は「フロントチェーンリングの歯数÷リアスプロケットの歯数」で計算できます。このギア比の数字が小さいほど、クランク1回転で進む距離は短くなりますが、漕ぐ力は軽くて済みます。よって斜度のキツい坂道を登るためには、この数字が小さい方が軽く登れることになります。

実際の数値を考えていきます。とあるブログには、内装3段のママチャリのフロントチェーンリングの歯数は32、スプロケットは14が一般的とのこととありました。調べてみてもメーカーのスペック表には、チェーンリング、スプロケットとも歯数をともに掲載しているところはほとんどありません。

ブリヂストンではフロントのみ掲載されていて、内装3段モデルの多くはフロントが31で、一部33のものがありました。ミヤタでは「通常よりも軽めのギヤ比に設定」というマークがあって、これだとフロント32、リア16とのことです。通常のギアは記載されていないのですが、32x16で軽いということから、32x14が標準と考えても良さそうです。

はっきりとした数値はわかりませんでしたので、ネットで言われているフロント32/リア14で話を進めます。32÷14で2.285で、これが内装3段のベースのギア比になります。これに内装のギア比を掛けると、それぞれの段のギア比がわかります。内装のギア比は1速 0.733、2速 1.00、3速 1.36でそれぞれのギア比に掛け合わせると、1速は1.675、2速はベースなので2.285、3速は3.108となります。

坂道を登る時は1速を利用しますので、そのギア比は1.675。これがどのくらいか説明が難しいのですが、最近のロードバイクなどでは1.1~1.2くらいのものがありますし、ツーリング自転車の1番軽いギア比が、0.9前後のものが多いことを考えると、それほど軽いギア比では無いことがわかります。この1.675というギア比で重い荷物を載せて、斜度が10%以上の坂道を登るのは、かなりの脚力がいることになります。

また、それぞれのギア比の差も大きいので、ギアチェンジすると一気に軽くなる、一気に重くなるといったことになります。坂道においてそれなりに軽いギアはありますが、こまめな変速は出来ません。変速無しモデルに比べて、坂道用に軽いギアがあるくらいに思っておいた方が良さそうです。

なお、走行時の変速は、ペダリングを止めて行います。

外装6段

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外装6段変速 出典:サイクルベースあさひHPより

多くのスポーツ自転車が採用しているのと同じ、ディレイラーでチェーンをずらして変速するタイプです。多段なのでギア板が薄く、日本一周時にはリアギアの交換やチェーンの交換が必要になるかもしれません。

ギア比に関しては、外装変速モデルのフロント/リアギアの歯数を表記されているメーカーはほとんどありませんでした。参考にしたブログには、「”内装3式と外装6式は最少と最大のギア比がほぼ同じ”と言われることが多いことから、外装6段のママチャリのチェーンリングの歯数は、44~46が一般的」と書いてあります。しかし、これも根拠が乏しく疑わしい。

ということでメーカーの色々調べるうちに、アサヒサイクルの外装6段自転車には、フロント/リアギアの歯数が明記されていました。メーカーのHPではカタログ式になっていてわかりづらく、サイクルベースあさひのページのほうが簡単に確認できます。それによると、フロント36、リア14-16-18-21-24-28です。

もうひとつブリヂストンのマークローザという自転車で、外装7段モデルはフロント42、リア14~28の記載がありました。スポーツバイクの位置づけなので、フロントを大きくしている印象です。

実際の自転車を見てみればと思い、団地の駐輪場で外装6段のママチャリを見たのですが、チェーンガードに阻まれ歯数はわからず。それならばとヤフオクで出品されているママチャリ用クランクを見ると、多段モデル用の薄歯タイプは36か40が多いようでした。44とか46もありましたが、こちらはクロスバイクから取った旨が書かれていたので、外装6段のママチャリはフロントギアは36、40あたりで、アサヒサイクルが採用している36が一般的なのではと推定します。

長々と書きましたが、外装6段のママチャリのギアはフロント36、リア14-16-18-21-24-28と仮定することにします。中間は置いておき、1番軽い1速のギア比は1.28、1番重い6速のギア比は2.57となります。この仮定が正しければ、外装6段の方がより軽いギアがあることになります。仮にフロント40/リア28なら1.42、フロント42/リア28なら1.5、フロント44/リア28なら1.57、フロント46/リア28なら1.64です。こうしてみるとフロントが46でも、フロント32/リア14の内装3段よりは軽いようです。

荷物満載でキツい斜度の坂道を登るとするならば、よりギア比の軽い外装6段の方が良さそうです。ただし、メーカーやモデルによって違うので、購入を検討する際は、欲しいモデルの歯数を確認するのが良いでしょう。

軽いギア比だけで無く、こまめな変速により足への負担を減らすことが出来ますので、日本一周するならば外装6段のものが少し楽できます。なお、変速は内装モデルと違い、ペダリングしながら行います。

駆動系

駆動系というと何のこっちゃですが、クランクで漕いだ動力をいかに後輪に伝えるかです。通常はチェーンを使っているのですが、この部分にベルトを使ったもの(ベルトドライブ)やシャフトドライブというものがあります。

ベルトドライブはブリヂストンやミヤタ、丸石が、シャフトドライブは丸石のみラインナップしています。いずれにしても高級モデルのみに採用されています。チェーンに比べて汚れないとか、色々とメリットがあるようですが、万が一壊れた時の修理がすぐに出来ないかもしれないので、あまりオススメできません。

フレーム素材

フレームの素材は、鉄かアルミで希にステンレス。アルミフレームのメリットは軽さ、鉄フレームのメリットは振動吸収性の良さ。デメリットはその逆と考えれば良いかと。

26・27インチのママチャリの本体重量は15~22kgの幅があり、20kg前後のモデルが多いようです。軽いモデルはフレームがアルミであったり、パーツにアルミを多用しているか、そもそも装備品が少ないもの。自転車にとって本体重量の軽さは重要な部分ですが、ママチャリにとっては安全性や装備品の耐久性の兼ね合いもあるので絶対ではありません。

フレームが鉄かアルミかでこだわるよりも、トータルで見た時に結果、フレームがアルミであったなど、結果で考えて良いのではないかと思います。

タイヤ

1万円を切る、安いママチャリだとコストカットされやすいのが、タイヤだと思われます。中国製のよくわからないタイヤがついています。日本メーカーのママチャリなら、それなりの品質のものがついていると信じたいのですが、実際はそれぞれのモデルを見てみないとよくわかりません。

通学用の場合、パンクしないタイヤを使用されていたり、耐摩耗・耐パンク性のすぐれたタイヤが採用されている場合もあります。

日本一周で10,000km以上走る場合、どこかでタイヤ交換の必要が出てくると考えられます。初期装備のタイヤで出発し、交換のタイミングでそれなりに良い品質のタイヤに交換するのが良いでしょう。

ブレーキ

ママチャリのブレーキにも、種類があります。フロントとリアで分けてみます。

フロントブレーキ

キャリパーブレーキが一般的。リムを挟んで、タイヤの回転を止めるものです。種類として「シングルピポット」と「デュアルピポット」があります。「デュアルピポット」の方が制動力が高く、高級品の位置づけです。

ロードバイクのキャリパーブレーキは現在、「デュアルピポット」が主流。ママチャリでは採用されているものは少ないです。

リアブレーキ

バンドブレーキとローラーブレーキがあり、安価なものではバンドブレーキが採用されていることも。

バンドブレーキはキーキー音が鳴りやすく、制動力もローラーブレーキに劣ります。出来るだけローラーブレーキのものを選びたいと心です。

ママチャリのブレーキに関しては、↓こちらが詳しいです。

【自転車のブレーキ覚書】ママチャリ規格の種類とクロスバイク(スポーツタイプ)規格の種類
  覚書として記しておこう。   修理の際にブレーキなんてそんなに重要だと思っていなかったけど、いろいろな種類があるんだと知った。ママチャリ規格とスポーツタイプ(クロスバイクなど)

ライト

ママチャリのフロントライトは、昔ながらのタイヤ(リム)にこすりつけるリムダイナモ式のものと、ハブから電気を得るハブダイナモ式があります。ほとんどがLEDを使っていて、昔ながらの電球を使っているものは、現在ほとんどありません。

リムダイナモ式は自動では点灯せず、ブロック部分を倒す必要があります。ハブダイナモ式はオートタイプが多く、暗くなれば自動で点灯します。一部、常時点灯のハブダイナモがありますが、リムダイナモのようにタイヤにこすりつけたりしないので、漕ぎが重くなることはありません。常時点灯でも問題はないでしょう。

安全性

2000年頃から1万円以下の激安自転車が増えたことにより、その安全性が疑問視されるようになりました。そこで出来たのが、BAA(BICYCLE ASSOCIATION(JAPAN)APPROVED)マークです。自転車業界の自主基準である「自転車安全基準」に適合した自転車に貼付されます。このマークがあれば、フレームの強度やブレーキの制動性能など、安全性や品質が保証されていることになります(万一、製造上の欠陥で事故が発生した場合には、製造事業者または輸入事業者の責任で補償されます)。

自転車の新しい安全基準 BAA
BAAのオフィシャルサイトです。BAAマークについて、検査方法、環境対応などをご覧いただけます。

BAAマークをついているものを選択すれば、品質的にも問題はないでしょう。ただし、品質を高めた結果、本体重量が重くなっているように思えます。これは仕方が無いのですが、元々重い本体がさらに重いということです。

なお、過去のママチャリ日本一周でフレームにひびが入って中断した人がいました。いくらくらいのママチャリか、どのような使い方をしてきたのかわからないのでなんともいえませんが、安いママチャリだとそういう可能性があることを頭の中に入れておいた方が良いでしょう。その点BAAマークがあれば、安心なのかもしれません。

日本一周用に装備したいもの

【自転車日本一周の準備 2】旅用自転車の装備【自転車日本一周のためのガイド 6】で、自転車本体以外に必要な装備を挙げました。そこで挙げたベル、ライト、リアライト(反射器材)、リアキャリア、スタンド、泥除けはママチャリにはほぼ標準装備です。フロントキャリアはかごがあるのでそれで代用するとして、あとはサイコンとボトルケージくらい。

ボトルケージはスポーツ自転車用のものはそのまま取り付けできませんが、アダプターなどを使えばハンドル部分やシートポストに取り付け可能です。また、100円均一ショップなどで、ハンドルに取り付けるペットボトルホルダーが販売されています。それらを利用すれば良いでしょう。

サイコンはお好みですが、走る速度がわかるし、それまで走った距離がわかるのでオススメです。スマホのアプリで間に合わせることが出来るかもしれませんが、スマホが壊れたら終わりですので、あえて単機能のサイコンをつけるのが良いと考えます。ワイヤレスで無く、ワイヤー式なら2,000円を切るモデルもあります。

日本一周用オススメモデル

以上、各パーツごとで色々とみてきました。最終的に日本一周に向いているママチャリは、どういったものが考えられるでしょうか。

ハンドルがバーハンドル、両立スタンド、リアキャリアはクラス27がまず基本です。変速機能は外装6段で、フロントギアの歯数を確認して、出来るだけ小さいもの(36くらい?)を。駆動系はチェーンで、タイヤは耐摩耗・耐パンク性にすぐれたものを採用。最後にBAAマークがついていれば、なお良し。以上が私の考える日本一周用ママチャリの条件です。

はたして、こんなママチャリがあるのか。自転車をネット販売しているサイトで検索してみました。利用したのは、サイクルベースあさひ、サイクルヨシダ、イオンバイク、サイマの各サイトです。なお、検索のしやすさはサイクルベースあさひがダントツで良くて、サイクルヨシダは検索ワードを入れればなんとか便利、それ以外は使いづらかったです。ママチャリの調べ物をするなら、サイクルベースあさひとサイクルヨシダがオススメ。扱っているメーカーに若干の違いがあります。

見つかったのが2モデル。「あさひ トラッドラインSリミテッド-K」と「丸石 フォーメーションシティ」です。あさひのものは、26・27インチありますが、丸石のものは27インチのみ。

あさひ トラッドラインSリミテッド-M 26インチ 6段変速

あさひ トラッドラインSリミテッド-K 26インチ 6段変速 出典:サイクルベースあさひHPより

BAAマークはないものの、通学などでの長期利用を装備が豪華です。オールラウンドハンドルバーに両立スタンド、クラス27リアキャリアは当然。5mm厚の耐パンクベルトを装備した耐パンクタイヤ。前ブレーキはダブルピボットタイプ、後はローラーブレーキ、ステンレスリム、ソーラーテールランプなど。本体重量やフロントギアの歯数がわからないので、そのへんは要確認かも。

あさひブランドは、サイクルベースあさひのプライベートブランドでしょうか。そのあたりがよくわからないのですが、アサヒサイクルとは別なのは確かです。サイクルベースあさひのみの取り扱いかもしれません。サイクルベースあさひでの受付は停止中ですが、26インチならこれしか無い!

トラッドラインSリミテッド-M 26インチ 6段変速 オートライト シティサイクル ママチャリ 自転車

丸石 フォーメーションシティ 27インチ 外装6段

丸石 フォーメーションシティ 27インチ 外装6段 出典:サイクルベースあさひHPより

BAAマーク、メーカー独自の「3年間盗難補償」あり。こちらもオールラウンドハンドルバーに両立スタンド、クラス27リアキャリアは当然。耐摩耗性に優れ、グリップ力の高いランドスパイクタイヤを採用。前ブレーキはダブルピボットタイプ、後はローラーブレーキ、リムおよび泥よけもステンレス。あさひのものに比べて、ソーラーテールランプが無いですが、そこはあきらめるしかありません。

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すでに持っているママチャリを日本一周用に

すでに持っているママチャリを日本一周用にしたい。そう考える人に、カスタマイズのヒントを。

買い物用ママチャリのカスタマイズ

両立スタンドもリアキャリアもあるはずですので、カスタマイズのポイントはハンドルでしょう。バーハンドルに変更すると前傾姿勢になり、乗り心地も変わってきます。

ハンドルの交換だけなら、自身でやろうと思えば出来るかもしれませんが、ブレーキやシフトのケーブルの長さも調整しないとケーブルが長すぎる状況になるかもしれません。お店に依頼するのが無難ですが、断られる可能性があるかも。

ずっと乗っていた自転車の場合、タイヤがすり減っているかもしれません。このさいタイヤを替えてしまうのも良いかもしれません。耐摩耗・耐パンク性にすぐれたものに交換するのがオススメです。同時にタイヤチューブも交換しておきましょう。このときにチューブのバルブを米(アメリカ)式に交換すれば、タイヤの空気圧管理ができるようになります。また、スポーツ自転車用のコンパクトな空気入れが利用できるようになります。

通学用ママチャリのカスタマイズ

こちらのカスタマイズのポイントは、リヤキャリアと両立スタンドの取り付けです。自転車によって取り付けの可否があるので、よく調べた上でおこなうのが良いでしょう。これらの取り付けだけならば、自転車屋さんで無くても、ホームセンターなどでおこなってくれるところもあるでしょう。

買い物用と同じく、ずっと乗っていた自転車の場合、タイヤがすり減っているかもしれません。このさいタイヤを替えてしまうのも良いかもしれません。耐摩耗・耐パンク性にすぐれたものに交換するのがオススメです。同時にタイヤチューブも交換しておきましょう。このときにチューブのバルブを米(アメリカ)式に交換すれば、タイヤの空気圧管理ができるようになります。また、スポーツ自転車用のコンパクトな空気入れが利用できるようになります。

ママチャリで日本一周するために

ママチャリで日本一周することを考えて、自転車のポジションやメンテナンスのことを。

ポジション

自転車で長距離を乗る場合に、重要になってくるのがポジションです。簡単な図を書いて説明します。

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買い物用の場合、ハンドルが手前にあって高いので、体は起き上がりお尻に重心がかかります。長距離を運転する場合、確実にお尻が痛くなります。

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通学用の場合、買い物用に比べハンドルが遠く、低くなるので、やや前傾姿勢になります。買い物用に比べ、重心はお尻だけで無く、ハンドルを握る手にも分散されます。写真のようにサドルの位置が低いと、やはりお尻に重心はかかります。

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通学用自転車のサドルを挙げて、ハンドルの位置を下げ、サドルとハンドルの高さを揃えると、長距離を走るのに良いバランスになります。ただし、手のひらが痛くなる場合もあるので、サイクルグローブを着けた方が良いでしょう。

サドルの位置

上記で「サドルを挙げて、ハンドルの位置を下げ、サドルとハンドルの高さを揃える」と書きました。これでクロスバイクのポジションに近くなります。

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より高速で走りたい場合は、さらにハンドルを下げれば良いのですが、正面を向くために首が痛くなったり、前傾姿勢が強くなりすぎると、より疲れますのでほどほどに。

ママチャリにはフレームサイズという概念があまりないので、体に合わせたフレームサイズ選びは出来ません。身長の高い人はどうしても窮屈になったり、身長の低い人にはハンドルが遠くなってしまうことがあります。これは仕方の無いことなので、体にフィットするママチャリ選びは難しいところです。

その中で出来ることは、サドルを適正位置にすること、ハンドルの高さを合わせることぐらいです。サドルの位置はサドルにまたがって、つま先立ちが出来るくらいの高さに、ハンドルの高さはサドルの座面の位置に合わせればだいたい良い高さになります。

足がベッタリとつかないと不安という方もいると思いますが、その位置ではスムーズなクランクの回転が出来ません。常にもも上げをやっているようなものなので、長距離を運転すると太ももが疲れます。

なお、シートポストが短く、希望の位置まで挙げられないこともあります。この場合はシートポストの交換が必要です。また、ハンドルの位置も調整できる限度がありますし、低くするとケーブルが適正な長さで無くなります。自身で出来ない場合は、自転車屋さんに相談した方が良いでしょう。

メンテナンス

日本一周中のメンテナンスで重要なのが、空気圧の管理とチェーンへの注油です。

空気圧の管理

自転車のタイヤは空気が適正より少ないと、乗り心地は柔らかくて良いかもしれませんが速度が出ません。また、リム打ちパンクといって、タイヤチューブの内(リム)側に穴が開いてしまうことがあります。釘など踏んでいないのに段差を乗り越えようとした時にパンクするのは、これになります。心地よく走るためにも、タイヤの空気圧管理は必要です。

通常、タイヤの空気圧はタイヤの横に指定圧が示されています。ただ、ママチャリで利用されている英式バルブでは、空気圧管理が出来ないので、米式バルブのチューブに変える方が良いかもしれません。ただし、今度は空気入れが米式に対応しないことも考えられます。空気入れとセットで交換になることもあり得るので、注意が必要です。

英式バルブの場合はタイヤを押してみて、少しでもへこむようなら空気を入れた方が良いでしょう。

チェーンへの注油

ペダルを漕いでいる時に、チェーンから音がするような時は、チェーンに油を差す必要があります。というか音が鳴り出す前に油を差すべきです。私の日本一周では1,000kmごと、または雨の日に走行したあとには注油していました。油を差すと確実に回転はなめらかになりますので、チェーンへの注油は必須です。

パンクした時に

自転車旅につきものがパンクです。パンクしたら修理をする必要があります。ただし、ママチャリは簡単にタイヤを外せないので、スポーツ自転車のようにタイヤを外してチューブを取り替え、走り出すといったことが、簡単には出来ません。

ママチャリで日本一周している人のブログなどを見ていると、自転車屋まで押していったとか、たまたま通りかかった軽トラックに乗せてもらったなどがありました。大変な思いをするか、運に頼るか。それでは悲しいので、自分でパンク修理ができるようになっておくのが1番です。

フレームからタイヤを外さなくても、チューブをひっぱり出すことが出来るので、チューブをだして、穴を見つけて、パッチを貼って元に戻すだけです。簡単に書きましたが、結構面倒です。私はタイヤを外さずにパンクを修理したことはありません。ただ、昔はこのように、パンク修理をしていました。パンク修理用にタイヤレバーやパッチ、空気入れを持っておくと良いかもしれません。旅に出る前に、パンク修理の練習をしておくと良いでしょう。

もうひとつはロードサービスのあるタイプの自転車保険に加入しておくという方法があります。有名なところではau損保の自転車向け保険BYCLEです。

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こちらのロードサービスでは、パンクでも対応してくれて、年4回までは利用可、日本一周時のみ加入するのも良いかもしれません。

ママチャリメーカー

ママチャリを製造しているメーカーを調べてみました。サイクルベースあさひやサイクルヨシダ、イオンバイク、サイマなどのネットショップで取り扱いのあるメーカーをピックアップしています。

BAAマーク貼付メーカーの一覧を見ると、日本でママチャリを販売しているメーカーは37社あるようです。取り上げたメーカーはそれなりに名前の通っているメーカーだと思います。

ブリヂストン サイクル

ママチャリをはじめ、電動アシスト自転車、ANCHORブランドでスポーツ自転車を製造している、日本屈指の自転車メーカー。安全性・品質重視ゆえに、値段は少し高くなっています。信頼性を重視するなら。

ブランド一覧 | ブリヂストンサイクル株式会社
ブリヂストンサイクルの自転車を一挙ご紹介。電動アシスト自転車からレーシングまで、ブリヂストンサイクルでお気に入りの自転車を見つけてください。

パナソニック サイクルテック

ブリヂストンと並ぶ、日本屈指の自転車メーカー。近年は電動アシスト自転車に力を入れているようで、一般自転車のラインナップは少なくなりました。POS(panasonic order system)では、カスタムオーダーとフルオーダーで、スポーツ用自転車を製造しています。

【公式】一般自転車|Panasonic
パナソニック自転車公式サイト。一般自転車のご紹介。日本製高品質モデルや業務用仕様にしっかり対応した頑丈設計モデルを取り揃えております。

丸石サイクル

子ども乗せ自転車ふらっか~ずで有名な丸石サイクルですが、電動アシスト自転車をはじめ、正統派ランドナーエンペラーシリーズ、シャフトドライブの自転車など幅広いラインナップで作り続けています。

スクール・シティに関する記事一覧 | 丸石サイクル
通勤・通学がラクラク 高機能な快適自転車

ミヤタ

ミヤタといえば90年代を代表するMTBリッジランナーが有名です。スポーツ自転車の電動アシストモデルE-BIKEに力を入れているようです。

MIYATA自転車 | MIYATA | ラインナップ

マルキン自転車

上記4社に比べると知名度は劣りますが、スポーツ自転車部ランド「KhodaaBloom」と同じ、ホダカ株式会社のシティサイクルのブランドです。最近公開された実写映画『弱虫ペダル』で、主人公”小野田 坂道”が乗る自転車(ママチャリ)に、マルキン自転車の軽快車が使用されているとのことです。

マルキン自転車
マルキン自転車は愛されて89年。カジュアルで良質な製品をお手頃な価格で提供します。

サカモトテクノ

大阪にある会社で、元はフレームメーカー。現在は、独自ブランドの自転車を中国で生産し、販売しています。ネットショップのサイクルヨシダで扱いがあります。

PRODUCT of SAKAMOTO TECHNO
堺市堺区。自転車完成車およびフレームの製造。会社概要、製品や営業所の紹介。

アサヒサイクル

名前はサイクルベースあさひに似ていますが、資本関係などは無い自転車メーカーです。多段モデルでフロント/リアギアを明記してあったのは、このメーカーだけでした。

アサヒサイクル株式会社
快適に、安全に、楽しく乗ってもらえる自転車をあらゆる人びとに提供するアサヒサイクルサイクルです。

プライベートブランド

自転車販売店やホームセンターが、自社で生産するのでは無く、製造委託して独自ブランドで販売されているものも多いです。サイクルベースあさひの”あさひ”や”Cream”など、ホームセンター独自のものもあります。大抵は中国生産と思われますが、品質はピンキリのように思われます。

参考ブログ

今回、この記事を書くにあたって参考したブログです。

ママチャリで日本一周した人のブログ

どのブログも旅の始まりから終わりまで、しっかりと記録されています。ママチャリ日本一周を考えられている方には参考になると思います。

日本一周で青春ライン

出発1日前 - 日本一周で青春ライン
大学を1年休学し2015年3月30日から日本一周をする21歳のブログです。この旅から青春をはじめる!

チャリ旅

http://peanutradio383.speaker.jp/2014/01/14/post-371/

YAMASAN’s 日本一周!!

自己紹介 - YAMASAN's 日本一周!!

ママチャリについてのブログ

ママチャリの改造についてなど、詳しく解説されております。

【ママチャリ整備マニュアル】すべて自分でやれたなら安上がりだし地球にもエコな自転車のメンテナンス術
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ママチャリに限らず、自転車のメンテナンスや改造について参考になります。

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自転車日本一周のためのガイド 目次
もし、あなたがある日、自転車で日本一周をしてみたいと思ったとしたら、どのように進めていけば良いのでし...

この記事を書いた人の自転車旅遍歴

この記事を書いたサイト管理人の自転車旅遍歴です。

2009年、自転車で初めての100km越え。

再録【折りたたみ】ちょっと海を見に行こう【自転車で】
さて、本日はちょっと昔の話です。 本日、パソコンのハードディスクを整理していたところ、初めて自...

2010年、自転車で四国一周10日間の旅。

2016年、自転車で日本一周。

四十七歳の地図~自転車日本一周記~ 目次
2016年の自転車日本一周の記録です。出発前の準備から、旅日記、旅後のまとめまで、目次にまとめて見やすくしました。

2019年6月、自転車で北海道旅(途中で、打ち切り)

2019年 自転車北海道放浪編~ 目次
2019年6月、北海道を放浪すべく、旅立ちました。結局、中断することになったのですが、準備編と旅日記...

2019年10月、自転車四国遍路旅

2019年 自転車四国お遍路旅 目次
2019年10月4日スタート、自転車による四国八十八ヵ所お遍路の旅。事前の準備や旅中の日記、帰宅後にまとめた記事など。自転車やオートバイ、徒歩によるお遍路を考えている方の参考になればと思います。

自身での旅にくわえて、自転車日本一周ブログが大好き。たくさんのブログを読んで、自転車旅の知識を補強しています。過去の自転車日本一周ブログのリンク集も作ってますので、そちらも参考にしてください。

自転車日本一周ブログ リンク集 2013年~2021年
過去の自転車日本一周ブログのまとめです。 選んだ基準は、基本的に毎日の記事で構成されるもので、...

40歳くらいで自転車に目覚めて約11年。現在は腰痛で苦しんでいます。今後、自転車旅は難しいかなと思いつつ、自転車旅に思いをはせてこの記事を書いています。