さて、今回は中華製の格安アウトドア スマートフォンを購入した話です。防水・防塵・耐衝撃にすぐれたタフネス スマホ、中国製の格安モデルの性能はいかに?
Blackview BV5500 Proを購入
今まで使っていたのは、2016年6月購入の富士通アローズM02。電池の持ちがかなり悪くなってきたので、新しいスマホを買うことに。
私のスマホの使い方としては、メールやツイッター、ニュース、天気予報のチェック、出先でのグーグルマップ利用、夜にラジコを聞くくらいです。通話は契約していないので使いません。スマホに求めるものは少なく、こだわりたいのが防水機能くらい。あとは電池の持ちが良いものを。
ということで、アウトドア用に使えるタフネススマホを検討することにしました。以前から京セラのタフネス スマホ「トルク」が良いなと思っていました。ただ現行機種のG04はauのみ。
以前はSIMフリー版もあったと思うのですが、今はないようで。私の格安SIMはドコモ系なので、そのままでは使えない。切り替えするのも面倒だし、旅先ではドコモの方が電波は入るので、ドコモ系はやめられない。日本のメーカということで、安心感ではこれが一番ですが、どちらにしろ値段が高いので、今回は却下。
以前話題になったアウトドア スマホでは、重機メーカーキャタピラー(CAT)ブランドのものもあります。こちらも値段が高いので、却下。
そんなこんなでAmazonを見ていると、どうやらアウトドア スマホの分野でも、中国製の格安スマホがあるようです。メーカーとしては、Blackview、OUKITEL、Ulefone、DOOGEEなど。
色々と比較した結果、値段も安く、性能もそこそこ良さそうなBlackviewの「BV5500 Pro」を購入することにしました。
Blackview BV5500 Proの仕様
本体
- 製品名:BV5500 Pro
- OS:Android 9.0 Pie
- サイズ:152x75.5x14mm
- 重量:225g
- カラー:ブラック、グリーン、イエロー
ハードウェア
- CPU:MediaTek MT6739V Quad-core1.5GHz
- GPU:IMG GE8100 @570MHz
- RAM容量:3GB
- 内部ストレージ:16GB
- 外部ストレージ:microSD(TF)カード MAX32GB
- USB:micro USB Type-B
- カードスロット:nanoSIM+nanoSIM もしくは nanoSIM+microSD
CPUは各種ベンチマークまとめページを見る限り、ローエンドモデルのようです。旧モデルのBV5500(無印)からは、CPU、GPU、RAMともにグレードアップはしていますが、それほど期待しない方が良いかと。USBはType-Cと書かれている記事もありますが、Type-Bです。
ディスプレイ
- スクリーン:5.5インチ HD+ IPS液晶
- 解像度:720x1440
- Gorilla Glass使用
カメラ
- フロント:500万画素、f2.4
- リア:800万画素、f2.0
リアデュアルカメラと謳われていて、見た目にもレンズが2つあるのですが、↓この記事にはシングルカメラとメーカーに確認したと書いてあります。
レンズは2つあるので、何かしら切り替えて使っているかもしれませんが、デュアルカメラの定義がよくわからず。どちらにしろ最近のスマホとしては、カメラの性能は劣りますね。
ネットワーク関連
- サービスプロバイタ:SIMフリー
- ブルートゥース:Bluetooth 4.2
- Wi-Fi:802.11 a/b/g/n
- モバイルネットワーク:4G(B1/B3/B7/B8/B20/B40)、3G(B1/B8)
メーカーのHPではWi-Fiがb/g/nになっていますが、11aも利用できます。気をつけなければならないのが4G(LTE)のバンド。auではほぼ使えないとのことです。また、ドコモもB19に対応していないため、山間部などでは、使えないこともあります。←重要
バッテリー
- 電池:4400mAh 5V-1A
- 急速充電非対応
- 取り外し不可
そのほか
- 位置情報:GPS、A-GPS、GLONASS
- 防塵・防水:IP68
- 耐衝撃:米国国防省規格「MIL-STD-810G」
- 認証方式 : 顔認証あり
- その他:NFC、LEDライト
付属品と外観
届いたので早速開封してみます。
ちょっとオシャレな箱に入って届きました。
付属品は液晶保護フィルム、アダプター、USBケーブル、カードニードル、イヤホン、商品説明書。液晶保護フィルムの予備がついているのはうれしい。
貼付済みのフイルムには、初めて使う前に4時間充電するように書いています。
本体下側には、スピーカーと充電に使うmicro USB Type-B。ゴムのキャップが何度も付け外ししていると、ちぎれないかとちょっと不安。
本体右側に電源スイッチとボリュームボタン。
本体左側にカードスロットがあります。
SIMカードはnanoタイプ。デュアルスロットになっていて、SIM2枚使用もしくはSIM+メモリカードで利用できます。使えるメモリカードはmicroSDカードで最大32GBまで。
本体上部は3.5mmヘッドフォンジャック。
本体裏側はこんな感じ。全体がラバーで覆われております。
起動してみた
商品が届く前に 、Amazonを通じてメーカーよりメッセージが来ていました。
- まず、スマートフォンを起動しないでください。先にSIMカードを入れます。そして、スマートフォンを起動します。そうすると自動的に日本語の界面です。
- 設定:アプリと通知を選択します。最近開いたアプリの中に使用しないアプリを無効にする。そうするともっと節電できます。
- 定期的に不要なアプリをクリアしてください。新しい入力法を自分でダウランドしてインストールしても大丈夫です。
- ネットワークエラーの場合にはSIMフリースマホはAPNの設定が必要の時もあります。公式サイトにAPNの設定を問い合わせしたり、こちらに連絡したり。
連絡してお願いします。- 日本語電子説明書が必要ならば、連絡をお願いします。
- コンパスごとに校正することが必要です。ToolBagのCompassの正常に作動(針が北を刺さない、回らない)していない場合に右上の表示をタップしたら大きい8の字に回すと校正完了できます。
特段大したことは書かれていませんでしたが、起動する前にSIMカードを入れた方が良いようです。とりあえず4時間ほど充電して、SIMカードを入れ起動しました。
まずはwifiの設定があって、次にこちらの画面。
最初は英語でメッセージが出ます。ここで言語選択。
日本語は下の方にありました。
ここから開始を押して、設定のスタートです。
まずはアプリとデータのコピー。
スマホからデータが引き継げるようなので、スマホからバックアップを選びます。
図形の表示でデバイスを確認します。
とりあえずすべてデータを引き継ぐことにしました。このデータの復元が、結構時間がかかります。データの復元が終わったら、各種設定を。まずは契約しているBIGLOBEモバイルのAPN設定。それが終わったら各アプリのログインID・パスワードの入力など。設定に一杯一杯で、このあたりの画面は写真撮り忘れました。特にLINEアプリは、SMSでの認証が必要だったりで面倒でした。
海外製のスマホですが、日本語に対応していますし、特に問題なく使えるようになりました。
初期状態の画面とアプリ
数日間色々と試してみて、もう一度初期状態からやり直してみました。スマホからのデータを引き継がずに、グーグルにログインしてクラウドからバックアップをしただけの状態です。
最初からインストールされているアプリはこれだけです。日本メーカーに比べて、余計なものはなくてシンプルです。よくわからないアプリは「ToolBag」と「SIM Toolkit」くらいか。
「ToolBag」の中には、こんなアプリが入っています。
Compass(方位磁石)、SoundMeter(騒音測定器)、Pic Hanging(?)、Gradienter(微傾計)、HeightMeasure(高さ測定)、Magnifier(拡大鏡)、protractor(分度器)、Plumb Bob(垂直計測)の8個。色々と測定するアプリが入っています。
SIM Toolkitは日本ではあまり使うことのないアプリみたいで、特に害はないようです。
FMラジオはヘッドフォンをアンテナ代わりにするので、ヘッドフォンを使わないと利用できません。ヘッドフォンさえ使用すれば、スピーカーで聴くことは可能です。
最初に困ったこと
一番最初に困ったのは、ナビゲーションバーのボタンの位置。今までは左から「戻る」「ホーム」「履歴」の順だったのが、「履歴」「ホーム」「戻る」の順に並んでます。中国ではこれが標準? これが使いにくい。どうにかならないのかと思ったら、設定で変更できました。
設定>ディスプレイの下の方にある、「Navigation bar」をタッチ。
並び順を選べますので、左側に「戻る」がある方を選択。これで今までと同じように出来ました。
ファーストインプレッション
半月ほど使ってみた感想です。
まず初期設定などは日本語に対応していたので、問題なく出来ました。余計なアプリも入っていないので、気持ちよく使えます。
メールやツイッター、ニュース、天気予報のチェック、出先でのグーグルマップ利用、GPSを利用していますが、今のところほぼ問題なし。yahooメールのプッシュ通知が時々届かないことがあるのが、今のところの悩みです。Androidのバージョンが今までと違うので、そのあたりの設定や使い方の問題かもしれません。
電池の持ちは私の使い方だと、平均で2日くらい持ちます。待機状態だと電池の減りは少なくて、かなり持つようです。トレッキング中に、GPSのログを取るアプリや万歩計アプリを動かしていても、それほど電池は減らず。ニュースアプリを長々と読んでいると、電池の減りは進むので、液晶の表示が一番電池を使うのかもしれません。
防水・耐衝撃に関しては、今のところそういう状況にあっていないのでわかりません。youtubeで実験している動画があるので、興味がある方はチェックしてみてください。水没しても大丈夫そうです。雨の中での写真撮影などに使えるかも。
1番の問題点
最後に1番の問題点を。これはこの機種に限らず、海外製のスマホを購入する時の注意点にもなります。
本体仕様のネットワークのところでも書きましたが、4G(LTE)の対応バンドのことです。対応しているバンドが、4GでB1/B3/B7/B8/B20/B40。
まず、auでは3G・4Gで主要バンドである、B18が対応していないので、この機種はほぼ使えません。Amazon商品説明の所でも、au対応不可と書かれています。また、ドコモもB19が対応していないので、山間部などでは電波が入らないことが多いようです。これが大きな問題点かと思われます。
私の格安SIMはドコモ系。Amazonのレビューで、都市部では問題ないと書かれていたので、よく調べずに購入しました。この辺は物欲が先走ってしまった、としか言えませんね。
B19(800MHz帯)はプラチナバンドと呼ばれている、広い場所をカバーできる周波数帯です。電波が届きやすいので、地方や山間部で多く使われているバンド。地方でドコモの電波がよく入るというのも、これがあるからこそでしょう。
先日、矢田寺裏山のミニ遍路に行った時、電波が入ったり入らなかったりを繰り返しました。それほど田舎ではないし、町から少し山に入っただけなのに、思ったより入らないなと。そこでドコモのエリアマップを確認してみました。これを見てびっくり。
私の住む大和郡山市の市街地部分は問題ないのですが、少し山手に行くとB19(うす紫色のエリア)がないと電波は入らなさそうです。奈良南部や和歌山県はちょっと山に入ると国道沿いでも、B19が対応していないとほぼ無理そう。
ということは、奈良や和歌山の山間部にあるキャンプ場では、電波が入らないことが多そうです。せっかくのアウトドア用にと買ったのですが、キャンプに持って行ってもほぼ使えなさそう。また私が地方で一番利用するのは、多分グーグルマップ。道に迷ってチェックしても、圏外で地図を取得できないということになりそうです。
なお、ソフトバンク系であれば、プラチナバンドのB8が対応しているので、比較的広いエリアで使えそうです。
まとめ
低価格で購入でき、防塵・防水・耐衝撃に優れるタフネススマホです。ゲームもせず、高性能なカメラ機能を求めなければ、少し重いですが気軽に扱えると思います。
ただ、残念なことにドコモ系のSIMでは、使うエリアが限定されそうです。東名阪はもちろん、都市部では問題はありませんが、地方特に山間部での利用は厳しそうです。アウトドア スマホですが、登山に行ったら電波が入らずに使えないということもありそうです。都市部のみで使う分には問題ありませんが、ドコモ系SIM利用で、地方に行くことが多い方は注意が必要です。お遍路とか日本一周には向いていないですね。
au系SIMは不可、ソフトバンク系SIMを利用している場合は問題はなさそう。
購入時は使用している通信業者、利用するエリアをしっかりと確認することをお勧めします。私はソフトバンク系SIMに変更を検討することにします。