さて、久しぶりのバヌーシー生活です。ずいぶんと、やきもきさせてくれた、ドリームインパクトがついにデビューしました。

DMMバヌーシー HPより
まず最初に謝らなければなりません。

「ドリームインパクトはデビューできるのか!?」なんて記事を書きましたし、その中で「早めに引退して出資額の一部をなるべく多めに返還してもらえる方がうれしい。」なんて書いちゃいまして、申し訳ない限りです。
デビューまで
件の記事は4/9にブログにあげたのですが、その後ドリームインパクトは、少しずつですが状態は良くなっていきました。
4/11には、「国枝栄調教師が視察し、7月デビューを目指したいとコメントした」とあり、調教師含めDMMスタッフは諦めていないのだなと感じました。そして、5月中旬には、普通キャンターが出来るようになり、6月1日、ついに入厩したのでした。なかなか順調に来なかっただけに、入厩したということだけで、ラウンジには喜びと期待の書き込みがたくさん。DMMバヌーシーが始まった時からの募集馬であり、期待の大きかった馬なので、これも当然の話で。
6/12には、ゲート試験合格。なお、ゲート試験は6/5、6/7の2回、不合格となっています。環境に慣れておらず、周囲を気にしているため、反応が遅くなってしまう印象とのこと。
6/27には、「坂路で単走でしっかり追い切れたとのこと」「予定としては7月13日の福島7R芝1800mに向かうつもりでこれから調整していただきます。」と、かなり駆け足でデビューに向けて、話は進んでいきます。
7/3の追い切り後には、国枝栄調教師は「時計的には遅かったですが、しっかり動けています。少しずつ良くなっていますし、来週追えば使えるところまでは来たと思います」と。
7/10、レースでも騎乗予定の内田ジョッキーを背に追いきり。内田騎手は「馬はいいよ。時期を考えると順調にいかなかったのがもったいないね。タイムがあまりでないかもと聞いていたけど、今日は楽に時計がでたよ。使って良くなりそうな雰囲気もあるけど初戦から頑張りたい」とコメント。「使って良くなりそうな雰囲気もある」という言葉から、ひとたたきして次が勝負の感もあります。それでも初戦から頑張りたいということで、少し期待はして良いのかなと思いました。
デビュー戦
デビュー戦は、7月13日の福島7R・3歳未勝利(芝1800m)、鞍上は予定通り内田博幸ジョッキーです。フルゲート16頭立てで、未出走馬はドリームインパクトのみ。枠順は4枠8番。
パドックにて
私はこの日は、BS11でテレビ観戦。パドックでの様子はあまり映らず、ちょっと見た感じは絞り切れていないかなといったところ。おなか周りに、余裕のある感じといったら良いでしょうか。テレビではパドック推奨馬にも取りあげられず、馬券予想でも買っている方はいないような状態です。
未出走馬で余裕残し。最終的には6番人気だったのですが、それも当然といったところです。
1番人気はヤップヤップヤップ。ダービースタリオンの生みの親、薗部博之氏の馬です。近2走、連続2着。それも新潟・東京1800mと今回と同じ距離で結果を出しています。これは強敵か。
レーススタート
ドリームインパクトはスタートを少し出遅れ。ゲート試験でも2度落ちたように、ゲートはちょっと得意で無いのかも。福島競馬場はどちらかというと、先行有利。この出遅れは、致命的かと思いました。
そのまま後方を追走。やはりレースのスピードについていけないのか?先日同じように未勝利戦でデビュー、スピードについていけず大敗した、ルナティアーラの悪夢がよぎります。
しかし、前半1000mの通過が59.3秒という速めのペース。これなら後ろからでも届くかもと、希望が見えました。内田ジョッキーは3コーナー過ぎから徐々に促していき、4コーナーでは外を回らずに、空いたスペースめがけて馬群の中を進みます。
直線では馬群を縫って、するすると伸びていき、最後は先に抜け出したヤップヤップヤップを捉え、1着でゴールへ。
これレースをテレビで見ていた私は、ゴールと同時に叫んでいました。ヨッシャーと。
レース後のコメント
内田博幸騎手「最初はハミを取らず進んでいかなかったですが、向こう正面でいい雰囲気になってくれました。追い切りに乗っていい脚を使うのはわかっていましたし、前が速そうだったので脚をためました。進路を見つけてからはすごい脚でしたね。最後は若干手綱を抑えるくらいでした。これからもっと良くなると思います。初出走にしては息の入りも良かったので本当に楽しみです」(DMMバヌーシー ドリームインパクト レポートより)
国枝栄調教師 「スタートが遅いのはわかっていました。1000m通過のタイムが速かったので、手応えから5着以内はあるかなと思っていましたが、最後はすごい脚で驚きました。まだ六分くらいの仕上げでしたのでびっくりです。今後については状態を見てからですが、頑張ってくれましたし、ゆっくりするのも一つの手かなと思っています。まだまだ伸びしろは十分ですし、今後が楽しみです」(DMMバヌーシー ドリームインパクト レポートより)
ジョッキーのコメントを見ると、流れが速かったのを判断して、足をためていたのがわかります。最後の進路選択も含め、今回はジョッキーの力も大きかったと思います。そして調教師のコメントからは、やはり余裕残し(6分)の仕上げだったことがわかります。それで勝ってしまったのですから、今後が楽しみなのは当然です。やはりこの時期の未勝利戦に出ている馬とは、格が違ったと言って良いのかもしれませんね。
レース後
やはり(一口ですが)馬主として気になるのは脚元の状態。過去強い調教をすると、後日何かしら状態が悪くなったものです。調教と比べものにならないほどの負荷がかかる、レース後は大丈夫なのか?
レースが終わり、数日後の報告では、「左前の外にある骨溜が少し熱を持っていたが、時間が経てば引いてくると思う」、「ひざ裏から深管にかけては、全く問題無し。歩様も全く問題なく、馬体は一度使ったことにより絞れて良くなった」とありました。
そのうえで、「今後は無理せず放牧に出し、9月の中山くらいを目標に少しゆっくりしてから立ち上げていく予定。脚元を考えながら無理させず馬に合わせてやっていく。」とのことで、現在はジョイナスファームにて、放牧中です。
感動体験の共有
今回、DMMバヌーシー発足時に野本代表が掲げた「感動体験の共有」をすごく感じました。
2017年10月、初めてバヌーシーに出資したのですが、その時の1頭がドリームインパクト。当初は下河辺牧場16年世代のエースと言われ、活躍を大いに期待されていたのですが、度重なる脚元の不安から、入厩は遅れに遅れました。私自身、JRAでの出走はもう無理かもと思っていました。
それが初出走で、初勝利。牧場や育成のスタッフ、調教師はじめ厩舎の皆さんの諦めなかった努力に感謝しかありません。今回の出走もとりあえず使ってみる、というのがあったかもしれませんが、それを見事に勝ってしまったドリームインパクトに感謝です。それを導いてくれた内田ジョッキーにも。
他の馬がどんどんデビューしていく中で、入厩は当然、強い調教も出来ず、本当にやきもきさせられました。それを乗り越え、つかんだ初勝利。テレビを見ながら声が出るのも当然です。
キタノインパクトもアイワナビリーブも、勝利を挙げてくれました。しかし、ドリームインパクトはここまでが長く、順調ではなかった分、喜びはそれら以上でした。
他の一口馬主では、金銭面で手が出ませんでした。それを低価格で、リターンは少ないですが、馬主気分をあじあわせていただきました。本当にDMMバヌーシーには感謝です。
DATA
ドリームインパクト
父:ディープインパクト、母:タミーン、母父:Shirocco
性別:牡、生年月日:2016.01.27、毛色:鹿毛、生産:下河辺牧場、国枝栄厩舎。