『父と娘の日本横断 300km・自転車の旅(山口 理)』を読んで【読書メモ】

さて、今回の読書メモはノンフィクション作品、山口理「父と娘の日本横断 300km・自転車の旅」です。今回も図書館で借りました。

前回の読書メモで書いた、「おーい 日本海!すみ子の自転車日本横断」の元となった、実際の旅を描いてます。

当時、作者の山口理さんは小学校の教師をしながら、作家の仕事をしていました。教師の仕事も忙しい上に、家に帰ると作家の仕事に没頭する日々です。小学校6年生の娘さんは、学校での出来事に悩みがある様子。しかし、仕事に追われる山口さんは、そのことに気づかず、父と娘の関係は悪化していきます。そして、衝突。仕事がうまく進まない、そんないらだちを娘にぶつけてしまったのです。なんとか仲直りをして、娘の悩みを聞き、何故か出てきたのが、一緒に自転車で旅に出ようという言葉でした。

読者としては、何故、自転車の旅?と思ってしまうでしょう。山口さんは高校の頃から、荷物を積んだ自転車で旅をしていた、サイクル野郎と言うことです。経験から自転車で旅することが、悩みを解消したり、自分を見つめ直したり出来ると、わかっていたのかもしれません。

旅の内容は、太平洋側から日本海へ、日本横断300kmの旅です。「おーい 日本海!すみ子の自転車日本横断」では、千葉県犬吠埼からのスタートでしたが、実際は東京湾に面する、千葉県行徳から。5日間かけて、行徳から新潟県直江津へ。最大の難関は、3日目、標高約960mの碓氷峠越えです。ここはなんとか自転車を押して登りきります。

その後は順調に、となれば良いのですが、そうは行かず。アクシデントが待っています。娘は自転車を転倒させてしまい、泥よけとハンドルが曲がり、ブレーキワイヤーが切れてしまいます。雨の中、自転車を修理する父。それを手伝う娘。ここでの出来事が、父と娘の距離を近づけたのでした。

5日間の旅を終えて、父と娘の距離は少し縮まったようです。「おーい 日本海!すみ子の自転車日本横断」でも感じたことですが、成長したのは多分、父ではないかと。児童向けの本ではありますが、子を持つ親向けの本でもあります。

と偉そうなことを書いていますが、私は結婚もしていなければ、子供もいませんが。とりあえず自転車の旅が、人を成長させるのは確かだと思います。この本では父と娘の関係性がポイントでしたが、ひとり旅でもそれは変わらないかなと。自転車旅の楽しさと辛さが、山口さんの自転車旅の本には共通して描かれています。ちょっと昔の本ですが、どれもオススメです。

山口さんの本は、図書館に置いてあることが多いので、近くに図書館がある方は、そちらにあれば借りてみていただければ。

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