【80年代ちょっとマイナーなロボットアニメ】唐突な打ち切りが印象の『超攻速ガルビオン』【アニメメモ】

さて、今回はアニメについてです。ちょっとどころか、かなりマイナーなロボットアニメ「超高速ガルビオン」をイッキ見した感想です。

超攻速ガルビオン

出典:dアニメストア

1984年2月~1984年6月、テレビ朝日で放送。全22話。国際映画社製作。

あらすじ

第三次世界大戦により一度は崩壊した人類の文明は西暦23世紀には都市部を中心にほぼ復興した。それは地上輸送機関のみが異常に発達した世界であった。戦後、永い平和が続き人類はその平和に馴れきっていた。そんな人類を意のままに支配することを目的とした秘密組織“SHADO”が暗躍を開始した。警察機構特務第一班主任のレイ・緑山は二人の若者“無宇(ムウ)”と“麻矢(マヤ)”を中心に私設機動車輌チーム“サーカス”を結成しこれに対抗。かくて超近代都市を舞台とした戦いの火蓋が切られた。

スタッフ

製作:壷田重三/企画:壷田重夫/シリーズ・構成:伊東恒久/キャラクターデザイン:たがみよしひさ/メカニックデザイン:大畑晃一/総作画監督:二宮常雄/美術監督:杉浦正一郎、金箱良成/音楽:中島正雄/音響監督:山田悦司/総監督:鴫野 彰(現・しぎのあきら)

放送された時代

『超高速ガルビオン』が放映された1984年当時のロボットアニメの状況です。1969年生まれの私は当時15歳くらいで、バリバリのアニメマニアでした。そんな私の個人的見解ですが、『超高速ガルビオン』の当時の立ち位置を考えます。

ガルビオンが始まった84年2月の時点で放映されていたロボットアニメは、超時空世紀オーガス(前年7月開始)、機甲創世記モスピーダ、特装機兵ドルバック、銀河漂流バイファム(この3作は前年10月開始)。前年スタートの亜空大作戦スラングル、聖戦士ダンバイン、光速電神アルベガス、装甲騎兵ボトムズ、銀河疾風サスライガーなどと入れ替わる形でのスタートです。ほぼ同時に重戦機エルガイムがスタートしています。83年はロボットアニメ豊作の年でしたが、84年はロボットアニメの人気にも翳りが見えてくる頃です。

ガルビオンの当時の話題はなんといっても、キャラクターデザインをマンガ家のたがみよしひさが担当したこと。当時たがみよしひさは週刊ビックコミックスピリッツで「軽井沢シンドローム」を連載し人気でした。高橋留美子の「めぞん一刻」との2枚看板だったと思います(その後「美味しんぼ」が連載開始されると、その座は奪われてしまいましたが)。だがみ氏が描くキャラクターは鼻の描き方が特徴的で、どこか日本人ぽくなくて、それがガルビオンにはハマっていたように思います。

記事のタイトルにあるように、「超高速ガルビオン」は第22話で唐突に打ち切られた作品です。当時はよほど人気がなかったのか、おもちゃが売れなかったのかなんて思っていましたが、Wikipediaによるとスポンサーのおもちゃメーカー タカトクトイスの倒産が原因とのことです。これを引き金に制作会社である国際映画社も翌年倒産しております。国際映画社は銀河旋風ブライガーなどのJ9シリーズが知られていますが、宇宙戦士バルディオス、魔境伝説アクロバンチ、亜空大作戦スラングル、超高速ガルビオンとマイナーロボットアニメをたくさん作っています。

なお、放送局は基本的にテレビ朝日系列なのですが、私の住んでいた近畿圏ではなぜか朝日放送で放送していなくて、テレビ和歌山での放送でした。前作にあたる亜空大作戦スラングルもでしたが、なぜなのかよくわかりません。

唐突な打ち切りで有名な作品ですが、私はずっと8~9話くらいで打ち切られた作品と思っていました。打ち切りとなった最終話もリアルタイムで見ていて、ラスト30秒ほどがなんじゃこりゃと思ったのが非常に印象に残っています(そのおかげで最終話の内容は覚えていません)。ネットが発達して、Wikipediaで調べてみたら22話もあって驚きです。これは勝手な想像ですが、テレビ和歌山では1クールほど遅れて放送されていて、打ち切りの時期だけは同じだったなんてことはないのだろうかと。それなら9話で打ち切りということで、記憶に合致するのだけどなぁと思っていたりもします。これは当時の新聞のテレビ欄を調べるしかないでしょうね。

感想

打ち切りうんぬんはおいておき、久しぶりに見た感想です。まずオープニングがかっこいいですね。主題歌の作曲がタイムボカンシリーズなどで有名な山本正之で、疾走感のある名曲です。オープニングに関しては、たがみキャラもなかなか良い感じに描けています。

ストーリーとしては1話完結型で、当時のアメリカのテレビドラマの雰囲気を感じます。ジョン&パンチとか、ナイトライダーとか、ブルーサンダーとか。舞台が日本ではなくて、アメリカ風の国なのでそう思うのかも。

内容的には詰め込みすぎというか、あれもこれもと取り入れたはいいけどまとまっていなくて、面白くなりそうな要素はたくさんあるのですが、消化不良にすらならないというか。同じ詰め込みすぎ作品のモスピーダは消化不良でしたが、こうしたら面白くなるのにと可能性を感じさせてくれました。しかし、ガルビオンはとっちらかっていて最終的に何を目指していたのか、よくわからないというのが素直な感想です。

まず舞台設定がSF。2099年人類は宇宙に進出。異星人と接触し、優れた科学知識を教えてもらい文明(兵器など)は進歩します。しかし、その技術力により地球では、第3次世界大戦が発生。野蛮な地球人を見限った異星人により、宇宙にでられなくするために地球はシグマバリアーで封じ込められてしまいます。大戦で1度崩壊した地球は時間をかけて復興するも、シグマバリアーにより空は飛べなくなり、車社会が発達した時代です。

設定だけ見ると、なかなか面白そうです。車が変形するロボットが主役なので、そのための設定にはなっています。ただ完全に空が飛べないわけではなくて、ヘリコプターは飛行可能。シグマバリアーについては、第1話にふれられただけで、それ以降は物語には関わってこず、残念ながらこの設定は活きてませんでした。ヘリコプターが空高く上がっていったところで、あがらなくなるとかそんな描写が少しでもあれば説得力もあったのですけどね。打ち切られなかったら後半の展開では関わってくるようですが、前半で全くふれないというのはもったいないです。

主人公コンビが受刑者だったムウとマヤで、協力することを条件にレイ・緑山の率いる私設警察チーム「サーカス」に所属し、秘密組織シャドウと戦うことになります。ミッションを成功するとポイントがもらえて、1000ポイントたまると自由にしてもらえるという条件。毎回このポイントがもらえるももらえないで、ギャグっぽくしています。全然面白くないですけど。番組の売りはたがみキャラで、サーカスメンバーの女性とのやりとりもよく描かれていて、メンバー内の恋愛関係も匂わせています。このあたりはたがみ作品的で、少し年齢層高めを狙っていたのかも。ただギャグっぽくしたいのか、恋愛をしっかり描きたいのか、どっちもと欲張って中途半端な印象です。

サーカスはガルビオンという車が変形してロボットになる技術を持っているのですが、物語世界の中での位置づけがよくわかりません。敵側も車が変形するロボットを持っていて、サーカスが特殊な技術を持っているわけでもなさそう。かといってロボットが溢れているのかというとそうでもない。私設警察や私企業がロボットで戦っているのに、警察がパトカーだけとか。中盤、軍や警察がロボットを出動させてきますが、今まで何してたの? って話です。組織同士がロボットで戦っているのに、それに警察や軍が出動しない世界って。舞台設定はSF的に作ったけど、世界観がうまく作れていなかったですね。

そして、敵となる組織が秘密結社シャドウ。大企業の社長が集まって悪だくみをするわけです。会社の社長達が集まって、あぁだこうだと悪いことを考えているというのは、なかなか面白い設定。やっていることは敵対する企業の社長を殺すとか、新技術を取り上げるとかですけど。そこに登場するのが、ヘンリー・マクミランという青年実業家。シャドウに加入したあとは、自身の地位を高め組織を乗っ取るべくシャドウメンバーを次々と死に追いやっていきます。このヘンリーの野心が、物語のもうひとつの柱にもなっています。打ち切られなかったら、シャドウを掌握しレイとの関係で物語が進む予定だったようです。中盤はヘンリーに肩入れしすぎて、サーカスよりシャドウを描いている時間の方が長い回もあったり。

ヘンリーが大戦前の設計図を元に復元、製造をした人型巨大兵器メタルバトラーが登場した頃から、物語は面白くなってきます。やっと物語をつらぬく縦糸が出来た感じです。それまではガルビオンの活躍は今ひとつでしたが、メタルバトラーと対戦することで、ロボットものとしての面白さが見えてきた感じです。中盤からはロボットの作画も良くなってきましたし。

残念なのは盛り上がってきた時に打ち切りになったこと。スポンサー都合なので仕方がないのですが、やっと形が出来てきたところでの打ち切りでした。その最終回なのですが、さほど重要ではなくて面白くもない話です。その話の最後に止め絵とナレーションによる説明で終わりとなってしまいました。見ていた人は驚いたと思います。実際私はびっくりしました。

結局、打ち切られたことで物語は最後まで語られなかったので、面白いかどうかの判断は難しいですが、面白くなりそうだったかと言われれば、そうじゃないと思います。SF的舞台設定、カーアクション、車が変形するロボット、ロストテクノロジー、たがみよしひさキャラ、バディもの、恋愛要素、敵組織の内部崩壊、成り上がりキャラなどなど、色々な要素を貪欲に取り入れたのは良いですが、それぞれがバラバラすぎました。高価な食材ばかりをたくさん使っても、美味しい料理は出来ないといったところです。やっぱり設定が煮詰まっていなくて世界観が出来ていないし、キャラクターの恋愛ドラマという面でも中途半端だったでしょう。

最後に作画に関してですが、残念な回もあればがんばっている回もあるといったところです。ただ車の走行シーンが道路に線を引いて動いている風に見せていたり、車が大きくなったり小さくなったり、そもそもデッサンが狂っていたりと残念なところが多かったのも確かです。キャラクターもせっかくのたがみキャラを活かせていない回も多かったですし。同時期の日本サンライズと比較するのは厳しいかもですが、もうちょっとがんばって欲しかったところです。マクロスやサザンクロスよりは、良かったかもといったところです。

評価

総合 2.5

ストーリー  2.0

作画  2.0

メカデザイン 2.0

主題歌  4.0

評価はめちゃめちゃ悪くはないけど、そこそこ低いです。でも、今回これだけ語れたということは、それなりに見所があったということかも。