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【カメラと作品】パノラマピンホールカメラと「団地のモノリス」

さて、今回は過去に私がまとめた写真作品のことについて書く、【カメラと作品】シリーズ第1弾です。

写真とは面白いもので、使うカメラによって撮りたいものが変わってきたりします。コンパクトデジカメなら日常の風景を、一眼レフならその描写力を活かした風景写真やボケを活かしたポートレイトなど。写真を作品と考えた時に、使うカメラに合わせた被写体を考えてしまうものです。このカメラを活かす被写体は何かと。

きっかけは大人の科学マガジン Vol.14 ( ステレオピンホールカメラ )です。2006年12月に発売されたこの雑誌には、ステレオ写真・パノラマ写真が撮れるピンホールカメラが付いてきました。ピンホールカメラとは通常のカメラとは違いレンズがなく、代わりに針で刺したくらいの小さな穴が開いているものです。ピンホールカメラに関してはこのページが詳しいです。

ピンホールカメラの仕組みと制作のページ

このカメラを手に入れた時に、何を写せば面白いかなと考えました。この頃は団地巡りにハマっていた頃で、縦に長い給水塔ならパノラマカメラを縦にして撮れば良いかと。パノラマカメラといえば、横に広がる風景を撮るのが一般的ですが、これを縦で撮ろうと。それで撮ったのが前回の記事の写真です。自信を持った私はたくさんの給水塔を撮りました。

なお、付録のカメラはそのままではなく、多少改造しました。何が不満で改造したのか、今となっては思い出せませんが、大胆に前の部分はぶった切っております。焦点距離を短くしたのと、ピンホールの部分は針穴ではなく、フィルムで出来た針穴(別の雑誌付録のものを流用)を使用してます。シャッター機構はなく、パーマセルテープでフタをするというものにしています。

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光線漏れがないように、パーマセルテープを貼りまくっております。パーマセルテープは粘着力の弱い、遮光性の高い紙テープです。今なら黒のマスキングテープでも代用できるようです。

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内部はこんな感じです。

そんな給水塔の写真を撮りまくっていたある日、ギャラリー・アビィというところで、ピンホール写真展が開催されることを知りました。「トイカメラ写真月間2007」のピンホール&ポラロイドという企画展です。調べたところ、お金を出せば出展できるよう。ただ、写真展に出展したことがないので、こんな写真で参加させてもらえるものかどうか、わかりませんでした。

それならばと直接ギャラリーにうかがって、写真を見てもらいました。その時になんと言ってもらったか忘れてしまいましたが、無事参加させていただきました。写真展というと、厳しい選考があるのかと思っていたのですが、企画の意図にあっていれば結構なんでもOKでした。そして、出展したのがこちら。

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今回ブログにアップするにあたり、組み替えております。タイトルは「団地のモノリス」としました。モノリスは映画「2001年宇宙の旅」に出てくる板状の謎の物体から。もともとの意味はWikipediaによると、「建築物や遺跡の内で配置された単一の大きな岩や、幾つかの山々のように一枚の塊状の岩や石から成る地質学的特徴を表すものである。一枚岩(いちまいいわ)ともいう」とのことです。イメージとしては、団地に立っている何かよくわからないもの。初めて給水塔を見た時に、何だろうと思ったことからこのタイトルになったわけです。

この作品がどのように受け取られたかは、よくわかりません。7件の感想シートをいただき、その中に”ステレオピンホールにピッタリの被写体を見つけたなと感心しました”、”タテ長のフォーマットとモノリスが合っていて、よかった”とあり、わかっていただける人がいるのだなと。

写真展に出してみようと思った初めての作品で、今でも気に入っている作品です。ただ、写真展に初めて出そうと思った作品はこちらですが、写真展デビュー作はトイカメラ「HOLGA」で撮った作品。それは「MANGA★GIRL」という作品で、この「団地のモノリス」を展示した前の週、「HOLGAファミリーの系譜」に出展しております。明日は「MANGA★GIRL」についてです。